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ファジーなお砂糖系男子のふわっとしたイメージ

萌、狩野さん、篠原さん、米沢さんの4人について、伊勢崎君の独自の感性で語って頂きました。


●萌の場合

・イメージ

 古谷って、綿なんだよな。色が白いし、丸い顔がふわっとしてそうだし、なんといっても吸収力が半端ない。こっちが1教えたら10覚えるってくらい、どんどん成長して行く。慌てて俺が持ってるもの全部注いでもまだまだ膨らむってくらいに。

 狩野さんのプレッシャーも、素直に全部受け止められる柔軟性も綿だな。

 でも……綿が水を吸いすぎれば重くなるみたいに、アイツは色々抱え込みすぎな気がして心配になる。たまにぎゅっと絞って、水を吐き出してやらないとな。

 俺は雨水。そのまんま古谷に注ぎ込むと、俺の悪い所まで吸収するから、浄水器にかけて濾過しないといけない。最近この浄水器の性能があがってきたかな……と、思う。俺は古谷の先輩だからな、良い所だけ見習って成長してもらえたら嬉しい。


・甘い物に例えたら

 苺大福。白くて丸くてもちもちした頬が大福っぽいだろう。で……普通の大福かな……と油断したら苺が入っててびっくり、みたいな。たまに予想の斜め上をいくんだよな。そこが面白い。こう……和菓子なのに洋風っていう、意外なミスマッチが面白い。飽きない。


・伊勢崎君の大好きなチョコに例えたら

 六花亭のストロベリーチョコのホワイト。俺……どっちかっていうと、ホワイトチョコより普通のチョコの方が好きなんだけど、あれは例外的にホワイトチョコが美味い。初めて食べた時、こんなのもあったのか……と衝撃的で。古谷との出会いもなんか衝撃的だったな。入社2日目にして、こっちが怒鳴ったのに、フォローされて、初めから人として勝てないって、白旗あげた。……年下を好きになったのも初めてだったし、例外。まさか……好きになるとは思わなかった。




●狩野さんの場合

・イメージ

 狩野さんは……昔はガラスの彫刻だった。凄く綺麗に作られてて、完璧で、クールに微動だにしない感じ。でも……その像は美術館に飾られてて、像の周りにぐるっと「立ち入り禁止」のロープがはってあるんだ。俺はそのロープを搔い潜る勇気もなくて、遠目から凄い綺麗だな……って憧れてた。

 近づいて触れて、うっかり倒したら脆く壊れそうで、壊したら欠片が自分にも跳ね返って俺まで怪我しそうな……そんな怖さがあった。だから遠目に憧れるだけ。

 俺は粘土の像。見た目凄い不格好で狩野さんと比較にならない。でも粘土だからいくらでも壊して作り直せる。何度でも何度でも作り直して、少しでも狩野さんに近づけたらいいな……そう思ってた。

 ただ、古谷が来てから狩野さんのイメージが変わった。狩野さんが変わったんじゃなくて、俺の問題。古谷は「立ち入り禁止」のロープなんて、まったく気にも止めずに像に触れて「先輩、これガラスじゃないですよ。傷もいっぱいあります」なんて報告してくれた。

 俺も恐る恐るロープをくぐって、近づこうとしてる所。今まで遠目に見て狩野さんを美化しすぎてたから、本当の狩野さんがどんな人なのか、まだわからない。


・甘い物に例えたら

 オペラ。知らない? フランスのケーキだよ。よくケーキ屋で売ってるぞ。店によって色々だけど、チョコや珈琲のクリームが何層にも重なったケーキだ。ビターだったり、甘かったり、色んな層が複雑に重なり合って、大人な味。狩野さんって色んな一面を持った、多層構造な感じで謎。


・伊勢崎君の大好きなチョコに例えたら

 昔あった塩トッポかな。もう随分昔に売ってたヤツだから、知らない人も多いだろうけど。ポッキーじゃなくて、トッポ。大事なチョコは内側に隠して、塩をまぶしてごまかして、甘くないよって振りをする。解らないけど、薄々感じてる。狩野さんがごまかしたり、隠したりしてる事。でも……見えなくても内側にちゃんとチョコはあるんだ。仕事に関してあの人は絶対裏切らないって、信用してる。だからいいんだ。それで。塩が効いてるから美味いんだ。




●篠原さんの場合

・イメージ

 篠原は太陽。パワフルで周りを明るく照らして、いつも皆を見守ってエネルギーを分けてくれる感じ。絶対にコイツには敵わないな……と、俺も諦める。ただ……月や星は太陽に光を照らしてもらえるけど、太陽は自分で自分を燃やしてエネルギーを作らないといけない。誰にも頼れない。

 それって凄いしんどい事で、だから俺は恋人だった頃、雲になりたいと思ってた。雲になって篠原を隠して「隠れてる間ちょっとは休んでろ」って言いたいなって。でも雲って簡単に風に吹き飛ばされて流されるくらい頼りない。結局俺には篠原を幸せにできる器はないんだ。

 今でも友人として大切だと思ってるし、だから幸せになってほしい。篠原を幸せにできる程、器のでかい奴が側にいてくれるといいなって思う。


・甘い物に例えたら

 フルーツタルト。見た目華やかにフルーツたっぷりで、でも土台の生地がしっかりした安定感があって、味がぶれない。どんなケーキ屋にいってもハズレが無い。どれにしようか困った時にあるとほっとする。


・伊勢崎君の大好きなチョコに例えたら

 キットカット。「きっと勝つ」そんな感じで、皆にエールを送ってる。昔は俺も頼ってばかりで甘えてた。篠原が長い間積み重ねてきた努力が層になって、甘いチョコでくるんで食べ応えがあって、頼りになる……そんな風に周りに見せてるだけなのかも。チョコの中身はさくっと脆い。本当は繊細な所もあって、見えない所で心がぽきっと折れてる。誰よりも篠原が応援されないといけないんじゃないかな。




●米沢さんの場合

・イメージ

 米沢? ノーコメント、アイツについて語る言葉は無い。

 ……どうしても語らなきゃダメなわけ? だったら……アイツを表現する形容詞なんてたった一言だ。「バカ」

 俺の事を揶揄って嫌がらせして、それを「僕なりの愛情表現」なんて、理解不能だよ。たまに妙な優しさを見せる時があるけど、それで日頃の悪行が許されると思ってるのか? ふざけんじゃねーよ、俺は許さないからな。

 でも……そういうバカと縁を切らない、俺の方がもっとバカかもな。


・甘い物に例えたら

 ……あんなヤツ酢昆布で十分だよ! 俺は喰わないけどな!


・伊勢崎君の大好きなチョコに例えたら

 あのバカをチョコに? …………(しばらく思考中)

 どう考えても思いつかないんだが、あえていうなら、柿ピーのチョコかけ? こう……珍品な感じ。俺は喰わないけどな!

米沢さんは安定のオチ要因


伊瀬谷君は、自分を過小評価しすぎで、好きな人は過大評価しすぎな傾向


次回から本編後の時間軸の、後日談エピソードが続きます。

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