先輩が可愛すぎる件
恋愛カテゴリーを選んでおきながら、本編中に甘いシーンが少なすぎて「カテゴリー詐欺だ」という感じなので、本気でお砂糖だばだば書いてみました。
今回は伊瀬谷君編。次は狩野さんで。
どちらも本編中の時系列で、カットされたシーンです。
先輩に告白されて、浮かれ気分でいた頃に、日曜日にウキウキデート。どこに行きたい? って聞かれたけど、思いつかなくて、おまかせしますっていつも通りに答えた。
連れて行ってくれたのは、池袋サンシャインシティーの水族館。水族館って小学生以来かも。久しぶりすぎて新鮮で、しかもカッコいい先輩とデートなんて、ドキドキしすぎて、楽しくて思わずはしゃいでしまう。
「先輩! あのペンギン可愛いです」
柵に身を乗り出す勢いで、前のめりにペンギンを指差していたら、ちょっとよろめく。さっと先輩が肩を抱き寄せて囁いた。
「可愛いな……古谷が」
可愛いのはペンギンと先輩です。自分で至近距離で殺し文句を言っておきながら、先輩顔まっかだし、目が泳いでるし、照れてるんですか? 先輩可愛すぎます。自爆して照れてる先輩を見てるのが、恥ずかしすぎていたたまれなくて、思わず背を向けて勝手に歩き出してしまう。
歩き始めてすぐ、後ろから服の裾を掴まれて引き止められた。
「俺の側を離れるな。迷子になったら困る」
迷子になるのは、私か先輩か。途方にくれた表情が情けなさ過ぎて可愛い。それで2人並んでお土産物コーナーに。
「欲しいものあるなら買ってやろうか?」
「いえ! お姉ちゃんへのお土産だから、自分のお金で払います」
「遠慮しなくてもいいのに」
「ここの入園料も払ってもらったし、この後の食事も奢りですよね? これ以上贅沢したら、私が楽しく遊べません」
きっぱり断ったら、耳が足れた子犬のように、しゅんと寂しそうに肩を落とした。でもすぐ先輩はくしゃっと笑って私の頭にぽんと手を置く。
「しっかりしてるよ……本当に。そこが古谷の良い所だけど」
お金なんていらない。それより先輩と過ごす時間の方がずっと大切。お姉ちゃんへのお土産一つ選ぶのに、2人で色々話しながら眺めるだけでも、とても楽しい。
「ラッコのストラップ可愛いな。お姉ちゃん結構可愛い物好きなんです」
「へ……意外。でもまあ……よく考えると俺より年下だし、女だしな」
「24とは思えない人生経験豊富な感じがしますよね」
「そうだな……古谷もしっかりしてるし、遺伝かな」
私そんなにしっかりしてるかな? そう思いつつラッコのストラップに手を伸ばしたら、先輩の手が伸びて、その隣にあったペンギンのストラップを持ち上げた。
「あ、そのペンギンのストラップも可愛いですね」
「……このペンギン。古谷に似てないか?」
「え? 似てますか?」
「ちょっとふっくらしてて、目がまん丸な所とか」
「……それって、太ってるっていいたいんですか?」
私が拗ねてむくれたら、先輩が慌てて謝った。
「悪い! その……そういうつもりじゃなくて……えっと……かわい……いや」
上手く言葉にできなくて、恥ずかしくて、照れながら、一生懸命言葉を探そうとしてて……。
その慌てぶりも可愛くて許せちゃう。恋人同士のいちゃらぶって感じが気恥ずかしくて、ごまかすみたいに話題を変えた。
「お姉ちゃんと米沢さん。なんだかんだ言って仲良さそうなのが、ムカつく。早く米沢さん、振られちゃえば良いのに……」
「……米沢の話はするな」
「あ……すみません。そうですね。先輩米沢さん嫌いだし、米沢さんの話したくな……」
そこで唇を塞がれて、強制的に言葉を遮られた。ふいうちのキスとか反則です。先輩が赤い顔をそらしてぽつりと呟く。
「デート中に他の男の名前……言われたくない」
米沢さんにさえ嫉妬しちゃうの? 束縛強いな……と思いつつ拗ねた顔も可愛くて、しかたがないな……と笑ってしまう。
結局お姉ちゃんのお土産はラッコのストラップにしてお会計。梱包してもらうのを待っていたら、先輩がペンギンのストラップを持ってきた。
「それ……買うんですか? 私……プレゼントはいらないって……」
「これ俺のだから。いいだろ」
ペンギンのストラップを使う先輩を想像したら、可愛すぎて悶える。先輩本当に乙女ですね。私のニマニマに気づいて先輩がむくれた。
「別に……使うわけじゃないよ。家に置いておくだけ。今日の記念になるし、古谷に似てるし」
私に似たペンギンを家に置いておきたいなんて……そんな可愛い事言われたら、悶えすぎて死ねる。
こういうツンデレ可愛い系萌え男子というのは、初めて書いたので、これが読者の皆様の、萌えツボを刺激するのか、イマイチわかりませんが……楽しんでいただけたら幸いです。




