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お互いの進度。by奈々

初夏になった。のりは宮迫くんとのデートを重ね、先日とうとう告白され、OKをしたんだとか。すぐのデートでは駄菓子の問屋さんにも連れて行ってもらったんですって。そしてつい先日、勝負下着もやっと日の目を見たそうで。やたらとオシャレな店に行ったり、すぐにベッドに持ち込む男ばっかりだった彼女には、駄菓子屋デートも何もかも新鮮らしい。

そんなわけで、彼女は最近デートに忙しいのでしばらく会っていないが、今までの中で一番穏やかなお付き合いをしているのがLINEの文面からも電話の声からも伝わってくる。幸せそうで何よりだわ。

そして私からも今日は報告をした。会って話そうと思っていたんだけど、こういうことならね。デートのお邪魔になるよりは。LINEでの報告でもいいよね。

『会って話そうと思っていたけど、今、ここでお知らせしておくね。』

『何ナニ?』

『赤ちゃんがやってきたの。冬にはママになるよ。』

『キャー!おめでとう!』

ご機嫌なスタンプとともに祝福のメッセージが返ってきた。

のりが喜んでくれるのが、何よりうれしい。

『男の子?女の子?』

『もう少ししたらわかるみたいよ。やっと母子手帳をもらったところだから。』

まだわからないけど、女の子のような気がする。こういうとき、たいてい母親―つまりこの場合は私―のカンが当たるものらしい。

結婚式の頃に出産が重ならないといいな。のりは、結婚のことはまだ言わないけど、二人とも社会人だからいつ結婚の話が出てもおかしくない。

『ところで、のりの方はどうなの?』

『んー?楽しくやってるよ。』

カマをかけてみたけど、どうやらまだみたいね。


『名前どうするの?』


そんなやりとりを楽しんでいると、実家の母からメールが入った。つい先日、安定期に入ったところで報告をしたのだが、毎日のように体調はどうだとか、名前はどうするんだというメールが届く。

『二人で考えているところです。』

やれやれ。喜んでくれるのはありがたいけど、こんなに喜ばれるとはね。どうやら命名権を狙っているようなのよ。もし命名権をという話なら鮫島家が優先だっつーの。まあ、両家に平等にということで、私たちで決めようと思っているんだけどね。

そろそろ名づけの本でも買ってこようかしら。




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