圏外のはずのジミー君。byのり
「良いと思う?勝負下着を着けていっても…。」
「はあッ?」
私の問いかけに奈々は案の定、すっとんきょうな声を上げた。そりゃそうよね。でも私だって初めてよ。自分から、こんなことを思うのは。ちょっと強引なベッドイン、っていうパターンばかりだったから。
それに、圏外のはずのジミー君は、女性慣れしていないなりに紳士で、それに私が見立てた服がとても似合っていたの。白いシャツ以外、どんな色を着たら良いのかわからないなんて言う彼に淡いピンクのポロシャツをお見立てしたら、なんともステキで。またお見立てしたいって思ったの。それになぜだか、この人となら、エッチしたいって心から思ったの。
「ち、ちょっと!どういうこと?」
「あ、あの。大丈夫よ。何もまだしてないから。」
「何もって、まだって…。」
私もしどろもどろだけど、奈々もしどろもどろ。私だってヘンだと思っているわよ。
「えと、その。せ、迫られても良いかなって、というか、なんか、この人となら、っていう気持ちになって。それでね、もしいつ、そうなっても良いように、っておかしいかな?」
「…話の展開についていけないんだけど、どういうこと?ちゃんと説明して。あれからどうしてたの?」
一瞬の沈黙ののちに奈々が言った。
「話した通りよ。ケーキをもう一個食べてから服をお見立てして、晩ごはんをご馳走してもらったの。」
もう一度説明すると、また沈黙が流れた。
「まだ時間ある?それか泊まりの用意して、ウチに来ない?というか、来なさい!いい?わかった?」
さっきよりも長い沈黙のあとの奈々の有無を言わせない言葉のあと、電話が切られた。
「奈々にしては珍しいわ。」
不安な気持ちのまま、お泊まりの支度をしている私。
奈々がそんな強い口調で何かを言ったことは、滅多になかった。怒っているのかしら?いや。怒っていたら、家に呼ばないわよね。私のことを軽蔑している?エッチな女だと思っている?奈々だからこそ、本当の気持ちを言ったんだけど、ダメ?ねえ奈々、私、ジミー君のことが気になってたまらないの。