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なんちゃって詩/三編

作者: 橋の下野 ゆうだい

是非感想を下さい!

[自己投影]



友といても

先生といても

変わらない

家族や

君といたって

変われやしない

だから

僕が世界へ発信するアンサー

それは石になること


あれから色々あって何年後……


何辺も

何度何回

僕を世界に写し絵しても

出来たその絵は

霞んで揺れる


「辞めにしよう」と

答えの決まった

その問いに

僕は答えた

「いいよ」


素直な僕は空を見た








[炭酸水の作り方]



炭酸水の作り方を私は知らなかった。知らなかったから、それは、不思議な物事に思えた。


ピチピチの女性みたいな水に、玉に入った溢れんばかりの二酸化炭素を注入する。するとそのピチピチな水は、興奮してブクブクと地を駆けて巡る。それでも諦めず二酸化炭素を注入し続けて、ビチビチの女性みたいな水が、電気ナマズのようにビリビリうねって発狂する頃ーーそれを捕らえてビンに詰め込む。そうしてそれを人が飲むんだ。


(はあ)


海の底。その冷酷さを感じるほど、しっとりとした所では、塩水はなく生水だけがあるのだと、私は想像する。ここでは海底から噴き出してくる泡に、また噴き出してくる二酸化炭素を生水と共に、たくさんの蟹達が楽しそうに「それそれ」と詰め込んでいる。そうして出来た炭酸水を心優しい鮫達が渦巻いて、地上に連れて行ってくれるのだ。でも、炭酸水を包む泡はとても脆いから地上に辿り着くのは、ほんのわずか。そのほんのわずかな炭酸水をこれもまた人が得難く飲むんだ。


(ああ)


実際は勿論こうでなかった。

水とクエン酸と重曹があれば

誰にでも作れる。

作れてしまう。


(私は何て……)


ピチピチの女性みたいな水はなく

「それそれ」などと言う蟹は存在しない。


(馬鹿だ)


炭酸水とは自然的な物ではなく

人工的な物だ。


想像は現実を越えていた。


(まったく)


知るというのは苦い事だ。


(またつまらぬ詩を書いてしまった)








[どれほどの後悔を地球に捧げよう]



この赤や黒に腫れ上がった海が。

この突き刺すような地面が。

この息苦しい空が。

一億年前のものであったなら

どれほど

どれほど

どれほど

幸せであろうか。

きっとこの海水は触れても感じないくらいに透き通り、

きっとこの地面は平らで力強くどこまでも続き、

きっとこの空は見上げる度に一滴の青を僕の胸に涼しく垂らすのだろう。

いいなあ。うらやましいなあ。ずるいなあ。憎いなあ。

ここまでブチ壊しておいて

まだ太陽系を飛び立てない僕達は

いつになれば地球に恩返ししてあげられるのだろうかあ。





























読んでいただき

ありがとうございます。


解説は省略です。


読んでいただき誠に

ありがとうございました!

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