表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/12

星の川の向こう側から

 今すぐ君に会いにいきたい。

 どんなに願っても、叶わぬ願いであることをわかっていても。


 神様、本当にごめんなさい。

 引き離されても仕方がない、神様を悪いなど言わない。悪いのは僕と君だけれど、心から反省はしているけれど。

 それでも、やっぱり会えないのは悲しいよ。

 神様だけではなくて、君にも本当に謝らないといけないと思う。

 怠けることなく、僕がきちんと働いていれば。幸せに包まれて、遊び呆けていなければ。

 こうして会えなくなることもなかっただろうに。


 二人が出会うことにより、幸せというものを知った。

 仕事以外の楽しみというものを初めて見つけたんだ。



 今すぐ君に会いにいきたい。

 どんなに願っても、叶わぬ願いであることをわかっていても。

 今すぐこの川を渡ってしまいたい。

 どんなに泳いでも、辿り着けないことをわかっていても。


 神様、心からありがとうございます。

 確かに今は会うことが出来ないけれど。今は触れられないのだとしても。

 それでも、やっぱり会えたのは嬉しいよ。

 神様だけではなくて、君にも本当にお礼しないといけないと思う。

 あっと言う間に過ぎてしまった、短い時間だったけれど。一瞬のうちに去って行った、短い期間だったけれど。

 君は僕のことを支えてくれていたよね。


 二人が触れ合うことにより、幸せというものを知った。

 飼っている牛以上に可愛いというものを初めて見つけたんだ。


 今すぐ君に会いにいきたい。

 どれだけ願ったら、それは掴める未来になるのだろうか。

 今すぐあの星になってしまいたい。

 どんなに遠くにいても、空の上ならば君を見守っていられると思うから。

 いつも僕の想いは届くんだと信じているから。


 出会う前の、真面目な僕たちに戻ります。

 だからお願い。またもう一度、彼女と廻り会わせて下さい。


 今すぐ君に会いにいきたい。

 いつでも願っている。それを夢見て、それまで以上の必死さで仕事に没頭して。

 今すぐ壊れてしまいそうな状態だった。

 そんなとき、神様がついに微笑んでくれた。


 今すぐ君に会いにいきたい。

 罪を犯した僕達だから、その願いは届かないけれど。

 七月七日の夜だけは、二人が会うことを許可して貰った。


 一年にたった一度しかない大事な日。その日の為に僕は働くさ。

 その頑張りが認められると、神様が許可をくれる。

 雨は止んで川は静まると、それは会うことを許された合図。

 船に乗れば、君に会いにいけるんだ。


 今すぐ君に会いにいきたい。

 どんなに願っても、叶わぬ願いであることをわかっていても。

 いつでもどこにいても、君を見守っているよ。

 星の川の向こう側から。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ