間話3 俺の必殺技
クラウン・ツェルンを倒した(殺した)九吉楼は、指弾を打って、彼女の神の化身である真那を再召喚した。
「ごめんね、キューちゃん。あれを食らうとどうにも対処が──」
「大丈夫だよ、真那。あれは仕方がない。そんなことより、先に進まないと。たぶんもうばれてる」
そう言うなり、彼女は暗い廊下を歩き出す。
しばらく無言で歩いていると、ふと、真那が、おかしいと呟いた。
「あぁ。俺もとっくに気がついている」
何がおかしいのか。それは。
「あまりにも静かすぎる。警備隊の足音が聞こえてきてもいいはずなんだが...」
俺はナイフを構え、臨戦態勢になった。
「真那、臨戦態勢をとれ。何か来る」
短く指示を飛ばした、その直後。
「グルグゴグガアァァアアアア!!」
咆哮をとばしながら現れたのは、羽のついた二足歩行のワニ、所謂ドラゴンだった。
「何でこんなところにドラゴンがいるんだよ?!」
俺はそう毒づきながら、後ろに向かって逃走を開始する。
「キューちゃん!前方60メートルに、同種のドラゴンを確認したよ!挟まれてる!」
戦闘を走っていた真那が、そう叫んで立ち止まり様に振り替える。
「はぁ?!くっそ、ドラゴンスレイヤーでさえ、ドラコン相手にするのは苦難だってのに。真那ははそっちを頼む!俺はこいつをやる!」
「わかった!」
ドラゴンは、魔法に対して、かなりの耐性がある。
ドラゴンと魔法でやりあうのは、まず困難だ。
さらに、物理的にも、あの分厚い鱗を砕くのもまた至難。
しかし、どんな奴にも弱点がある。
首の下の、逆鱗だ。
しかし、特性上そこを攻撃すれば、100%命はない。
残るは体内から直接攻撃するのとだけ。
瞬時にそこまで思考した俺は、開かれた奴の口に向かってナイフをつき出す。
「テンペスト!」
ナイフの切っ先から雷がほとばしり、敵の口内めがけて飛んでいく。
しかし、その攻撃は奴の魔法障壁により弾かれた。
ドラゴンがそのまま突進してくる。
「仕方ないな」
一言おいて、俺は必殺技を発動する。
「土に還れ!」
すべての生物は死に、やがて土くれとなる。この一連の流れを早める風魔法。それが
「──俺の必殺技、強制死亡だ」
「最初っからそれ使えばいいのに...」
土くれにどや顔を向けて放った言葉に、あきれた風に真那が突っ込みを入れる。
「...」
真那、ときどきすごい目でそんなこと言うよな。
そう思いながら俺が脱力していると、
「ほらキューちゃん、行くよ」
そう言って彼女はあきれた目で俺を見るのだった。
九吉楼「どうだ!あのドラゴンも一撃で仕留める俺の必殺技は!」
真那「キューちゃん、まだ言ってるよ...」
九吉楼「因みに、あの応用で人を生き返らせる事も出来たりするのが、これの自慢だ」
真那「さすが、魔王候補者ですねー、あれを使われたら誰であろうとイチコロだしねー」
九吉楼「どうよ!」
真那「はいはい、もうわかったから、キューちゃん、次回予告よろしくねー」
九吉楼「なんかいつもより元気無いなー。次回番外編、鍛冶の魔王」
真那「元気無いのはキューちゃんのせいだよ!ったく」




