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第16話 エントランス
「俺の名前は3.141592653589793238492643383279通りの名前があるんだが、どれが聞きたい?」
「それ円周率!」
「あ、ばれたか。ちなみに俺の名前はチャオ・パ─どぐふぅ!?」
あ、危ないところだった。いや、何がとは言わないが。
「いったいなぁ新入り。まぁ、いいけど」
「ご主人様ー、キューちゃん黙らせてきましたー」
そんな会話の中、真理が九吉楼を引きずって連れてきた。
「さっちゃん、頬に血がついてるけど、大丈夫か?」
「あぁ、これは返り血だから。大丈夫大丈夫」
返り血て。
一体何が起こったのか、想像したくないな。
「ところで九吉楼さん、何故に真理のことをサットって呼んでるんですか?」
俺は先ほどから疑問に思っていたことを聞く。
「それはな?サンスクリットってわかるかな。あれの言葉でサットっていうのは、真理って意味があるんだよ」
それから間を置いて
「ここで立ち話しててもなんだし、さっさと中に入ろうぜ、クルーフフィヨルドンセンセ?」
そう言って彼女は真理を肩に担いで、目の前のビルの中に入っていった。




