第8話 中二病
「ま、それは良いとして、火蓮、あの子達はなんなんだい?」
七斗がさっきからずっと俺の後ろで何かしている真理と火花を指差して聞く。
「こらこら、人に向かって指を差すんじゃない。あ、私人じゃなかったわ」
真理が七斗に注意する。
「ご、ごめん。...ってはぁ!?真理さん人じゃないってどーゆーこと?!」
すると案の定、七斗がそう俺に聞いてくる。
「「「あ」」」
しまった。こいつ、うっかり漏らしやがった。
どうする?
だが、そう思ったのも一瞬だった。
「な、七斗。こいつ中二病なんだよ。だからあんまり弄らないでやってくれ」
「あぁ。そーゆーことか。僕はてっきり、本当に彼女が人外の何かであると言うことを告白してしまったかと思ったよ」
そのとき俺は、愛想笑いしかできなかった。だってさ、真実あいつは
(人外、だしなー。ついでに火花もそうなんだが)
そんなことを心のうちに秘めながら、火蓮は火花を膝の上にのせて、彼女に一つだけ、シンプルな命令を耳元で呟いた。
「絶対に、俺が許可した動物以外は、自分が俺の神の化身だと悟らせるなよ?」
「はい、マイマスター」
真理が可哀想ですが、まあ、彼女は中二病の意味を知らないのでよしとしましょうか。