表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/7

一話

拙いとは思いますが宜しくお願いします。一部編集しました。



突然ですが、質問です。



勇者と魔王、なれるならどっちが良いか?



断然私は魔王が良いと思います。だってほら、勇者とか、明らかに打倒魔王!というテンプレを強いられるんでしょう?

しかも自分の国の軍人、騎士でも歯が立たないから異世界から勇者召喚するっていうテンプレもあって、更に知らない世界、知らない人から人間界を守ってほしいって言われるテンプレもあるのです。

正直言ってもいいですか?



馬鹿じゃないか?と。



例えばですけど、勇者召喚されました。国、世界を救ってほしいって言われました。

で貴方は、はいそうですかって納得出来ますか? 私は出来ません。

だってそれは、自分の世界の人間じゃ手も足も出ないからあんた代わりに倒してきてって言ってるようなものです。

それに勇者だからといって、絶対的に強いってわけないんですよ? しかも倒せっていうことは殺せと同意語なんですよ? 人間と同じように、いや何倍もの知性もあって(あるかどうか分かりませんけど)、力もあって(あるかどうか分かりませんけど)、自分の国というか魔界を治める王様でしょう?

もし勇者が弱かったらどうするんですか? 死んで来いって意味でしょう?

……疑問形は多いですが、私が何を言いたいかと言うと、つまり。


そんな責任負わされる勇者よりかは、魔界制してる魔王様の方が断然マシってこと、です。



何でこんな話してるかって? あぁ、言ってませんでしたね。

話は変わりますが、私はついさっきまでVRMMO(Virtual Reality Massively Multiplayer Online)ゲーム、つまり仮想現実大規模多人数オンラインゲームをプレイしていました。

ゲーム名は『ベルセルク・ワールド』。


いきなりゲームの話をされて戸惑うかとも思われますが、それにはワケがあります。このまま聞いててくださいね。


私が長年プレイしてるこのゲームは人間か魔族、どちらの種族になってからプレイするか?という、傍から見れば戦争系ゲーム?かと思うかもしれませんが、実はほのぼのとした平民、農民、商人、職人にもなれるというなんでもござれなリアルなゲーム。しかもグラフィック率、再現率が高い。


そんな高機能なゲームは勿論売れる。てか爆発的に売れました。

今ではユーザーは外国版も合わせてほぼ一億人。あと数日で到達出来るんじゃないか?と掲示板では騒がれ、到達できた日には何かイベントが出るだろうと最近プレイヤー達はそわそわとしていた。勿論私も。


そんな私ですが、ゲーム内では魔王という位置に就いておりました。ええ、魔王です。

もう一度言いますが、魔王です。え、しつこいって? 失礼。

でも魔王といってもただ一人ってわけでもないんですよ? 実際には十人います。


……今、地獄の十王みたいだって思った人います? あ、怒ってるわけではありませんよ?

まあそんなわけで、魔界では魔王が十名ほど居てそれぞれ自分の国を治めています。このゲームは実力制ですから、ステータス全ての限界値を突破すると魔王に挑むことが出来ます。立ち向かった殆どが返り討ちに遭ってますが。


私を含め、十名の魔王は何故そんなに強いかというと簡単です。皆ゲーム発売初期にはログインして毎日没頭していたからです。おかげで魔王になった今でも皆仲良く、そして良きライバルです。


勿論人間界のところにもプレイヤーはいますが、如何せん魔族のプレイヤーが圧倒的に多く、それも1:9ということで魔族が圧巻でした。

何故魔族が多いかというと、バリエーションが多いからです。

魔族といっても種族が色々ありました。ドワーフにエルフ、獣人、竜人、小人、妖魔などなど……。

エルフも魔族なのか?と疑問になるでしょうが、はい、魔族です。このゲーム内では決して精霊族ではありません。

というか、このゲーム、最初に言った通り人間か魔族しかいないのです。あ、敵に魔獣はいますけど。


話を戻しますが、人間はせいぜい髪の色と目の色――魔族より規制されてます――と、魔法を使える属性や職種など比較的地味なものしか選べませんでしたが、魔族ともなると、髪、目の色は勿論、種族も選べてしかも攻撃力や防御力が高く、魔力や使える属性も多かったのです。もはや差別です。


まあ、人間を選ぶ方は温和な方が多く、あまり戦争が好きではない方が殆どで、平民、農民、商人になる人は多いけれど、騎士や王様、職人、冒険者(?)といった体力系や権力を持つ(言うなれば王様になる)という方向では魔族の方が多かったです。人間の王様などは殆どNPCでしたし。


戦うことがお好きな方は一般的に魔族を選んでましたね。といっても魔族同士はイベントでないと戦えません。戦うのは主に魔獣でしたから。


そうして魔王同士お互い切磋琢磨し、国をより良くするため治世していた時に、それが来ました。



プレイヤーの一億人突破記念のイベント。



このゲームの公式イベントは、いわば戦争系のイベント。兵を選定し、どれほどダメージが少なく、またどれほど敵を多く倒せるか、というものが多いのです。

当然参加できる者は少ないですが、だからこそイベントで優勝した国に所属してる者は、例えば攻撃力の高い武器や、防御力の高い防具、ステータス効果が上昇する物などなど、参加したプレイヤー一人一人に用意された報奨の中で自分が一番欲しい物を選べるのです。参加出来なくても優勝した国に配してるプレイヤーにもなにかしらの報奨はあります(参加した人に比べれば選べる物は少ないですが)。


だからこそ皆、この時を待ってました!とばかりに大いに盛り上がってました。

が、イベントの参加者は、



発売初期に最初にプレイヤーになった三名だけ、と書かれてあったのです。



それは、私を入れた古参の魔王三名のみということ。


古参の魔王三名以外大いに肩を落として落胆してましたが、その文の下にまた一文書かれてありました。


しかし魔王が持っている召喚チケットで召喚された場合、イベントに参加しても良し。ただし召喚された者は召喚者に絶対的に従うこと。

とのこと。


これに古参の魔王三名に配してる部下たちが大いに盛り上がりました。そして願書が来るわ来るわ。

しかも古参の魔王以外の魔王達からメッセージが届いたのです。大体のものを短く言うと、召喚者に絶対服従は少し癪だがイベントに参加したいから絶対召喚しろよ。因みにお前なら許容しても良い、とのこと。何故か上から目線。

そんな感じのものを複数人から戴きました。他の古参の魔王二名はそんな物貰ってないと言っていましたが。魔王には照れ屋さんが多いですからね。私の部下もそうですが。


しかしまだ細かなことは公式から何も通達されていないのです。このイベントがどんなものかも分かりません。ですのでイベントに参加してから決める、という結論に至り、皆に通告しました。



そしてイベント当日。

イベントは朝の9時からでしたが、フリーターの私には関係ありません。9時丁度になったらログインしようと準備万端でした。


そして9時ぴったりにログインしようとした瞬間――。

バシンッと音が聞こえ、何の音か考える間もなく私の意識は闇に沈んでいったのです。






≪ベルセルク・ワールドへようこそ≫





誤字・脱字ありましたら一言お願いします!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ