焦るシスター
ハルフォンソの街からこんにちは。ティファレトです。
朝の鍛錬をこなし、そろそろ朝食の準備をする頃なのですが、アーノルドが起きて来ません。
「アーノルド、起きていますか?」
アーノルドを起こすべく、今では彼専用になった子ども部屋の扉をノックしますが、反応がありません。
「アーノルド?」
何度か声をかけても反応が返ってこないので扉を開けると、ベッドで横になっています。
アーノルドが朝になってもここまで熟睡しているのは珍し......息が荒くありませんか?
「はぁ...はぁ...はぁ」
「アーノルド!」
アーノルドの息が非常に荒く、顔全体が赤いです。
それに、額に手を置くと随分と体温が上がっているのが分かります。
「診療所に行きましょう。アーノルド、頑張るのですよ」
アーノルドの服を厚着にし、背中に背負って揺らさないようにしながら走ります。
「ガーロンド先生、いますか?」
「おぉ、ティファレトちゃん。朝からとは珍しいの。何があ......分かったぞい。こちらのベッドに横にしておくれ」
「はい」
診療開始前のはずですが、ガーロンド先生は迎え入れて指示を出してくれました。
言われた通り、ベッドにアーノルドを降ろして横にします。
「......」
「......」
ガーロンド先生が首や胸、手首を押して確認し、口の中も診ます。
「カラダケとホロホロニンジンは食べたかの?」
「いえ、食べていないはずです」
「ふむ、熱病じゃな。これなら適切に治療をすれば2日か3日で治るじゃろう」
「......」
ホッと息を吐き、安堵します。
子どもはすぐに死んでしまうので気が気ではありませんね。
「この薬を朝に飲ませて、柔らかい食事と水分を摂るのじゃ。食事は無理でも、水分は小まめに飲ませておくれ。そうじゃな......水ブドウの搾り汁が望ましいじゃろう」
「はい」
「もし、2日経っても改善されないなら、もう一度来ておくれ」
「分かりました。ガーロンド先生、ありがとうございます」
「少年、辛いが頑張るんじゃぞ」
そこからはガーロンド先生の言葉に従い、出来るだけ水分を飲んでもらって薬も飲ませました。
すると、すぐに効果が表れて2日後にはアーノルドは以前と変わらない元気を取り戻しました。
「ありがとう、シスター。わぷっ!」
「良かったです」
思わずアーノルドを正面から抱きしめました。
「〜〜〜〜〜ッ」
む?随分と私を叩きますね?元気になったのは良いですが......すみません、胸で顔が埋まって苦しかったのですね。
「ぶはっ!はー......はー...死ぬかと思ったよ」
「すみません」
「今度から抱きしめるのは背中から!」
「はい」
とにかく、元気になって良かったです。




