良さと不満
ハルフォンソの街からこんにちは。ティファレトです。
「あら?」
診療所でのお仕事を終え、アーノルドにクッキーでも買って帰ろうと広場の方向へ向かうと、知らないサウナ屋を発見しました。
「せっかくですし、入りましょうか」
サウナは良いものですからね。それにしてもこのサウナ屋、私の知るサウナ屋と違って随分と大きいですね?
「いらっしゃいませ。当店は初めてでしょうか?」
「はい」
入口から入ると、身なりを整えた店員さんが聞いてきました。
何でしょう?どうにも落ち着かない感じがします。
「注意事項として、当店のサウナは男女別となっております」
「分かりました」
どうやら、ここが噂の男女別に入るサウナ屋らしいですね。
それならばこの建物の大きさにも納得です。分ける為の広さが必須なのでしょう。
その他の注意事項は他のサウナ屋と同じようなので、更衣場で服を脱ぎ、持ってきてはなかったので大きいタオルを借りて洗い場に入ります。
「え......」
「何あれ?本物?」
中は見事に女性だらけです。
アワダチソウを手に取って揉み、体にくまなく塗りつけて汚れを取り、水をかけて流して準備完了。
いざ、サウナへ......忘れてました。タオルで胸を隠すよう巻きつけて、いざ、サウナへ。
「ふぅ」
「は?」
「大き過ぎない?」
やはりサウナは良いですね。
熱気と湿気が私の体を包み、安らぎを得ると共に疲れが抜け出るのを感じます。
ダーツさんもジードさんも息抜きは大事と言っていましたが、それがまさしくコレなのでしょう。
そういえば、レシートさんはひたすらにお仕事と鍛錬をしている気がするのですが、休めているのでしょうか?
今度、一緒にサウナでもと誘ってみましょう。
「ふぅ」
素晴らしい熱気と湿気でした。
汗を水で流し、タオルで拭き取って服を着て脱衣場を出ます。
さて、水ブドウの搾り汁はどこでしょうか?
サウナの後のあの一杯がたまらない幸福を生むのです。
「?」
はて?どのサウナ屋にもあった搾り汁が見当たりませんね?店員さんに聞いてみましょう。
「あの、水ブドウの搾り汁はどこにありますか?」
「申し訳ございませんお客様。当店では水ブドウの搾り汁は取り扱っておりません」
「!?」
そ、そんな......水ブドウの搾り汁が、無い!?
「代わりと言ってはなんですが、各種ヒマワリ酒を取り揃えております。如何ですか?」
「......いえ......水をお願いします」
......。
「ありがとうございました!またお越しくださいませ」
もう、このサウナ屋に来る事は無いでしょう。
......アーノルドにクッキーを買って帰りましょう。




