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診療所は治療を受ける場所

ハルフォンソの街からこんにちは。ティファレトです。


「今日はよろしく頼むぞい、ティファレトちゃん」


「はい」


今日は診療所でガーロンド先生の助手のお仕事をしています。

今のところは患者は少なく、軽く棚卸しや硬い木の実を砕く事による調剤ぐらいの内容ですね。


「あら?」


「患者かの?」


しばらく何も起きず、ガーロンド先生と話をしながら整理整頓をしていると、入口の扉が荒々しく叩かれました。


「どなたですか?」


「あぁ?医者はどこだよ?」


扉を開けると、随分と髪を尖らせた男性がいました。

患者でしょうか?それにしては体調を悪くしているように見えないのですが。


「儂が医者じゃよ」


「おぅ、しんどいからよ、薬くれや」


「......」


「......」


勢い良く椅子に座る男性を見た後、ガーロンド先生と互いに顔を見合わせます。


「それじゃあ、まずは体を診させてもらおうかの」


「あぁ?そんなの要らねぇから、さっさと薬を渡せや」


「......」


これは、明らかに患者じゃありませんね。


「少し待ってください」


ガーロンド先生の手を引き、奥の部屋へと一緒に行きます。


「患者には見えないのですが......」


「そうじゃの。これは、最近王都でも話題になったらしいアレかの?」


「何ですか?」


「最近、体調不良の振りをして、医者の処方した薬を手に入れて売ろうとする輩が増えてるみたいでの。恐らくはあの男も同じじゃろう」


「どうしますか?」


患者じゃないどころか、強盗に等しい人だと分かったので、後はガーロンド先生の判断に従いましょう。

あくまで私は雇われてる形であり、この場の主はガーロンド先生ですからね。


「追い出してもらえるかの?」


「分かりました」


「すまんのう」


お安い御用です。


「おい!いつまでかかってんだ!早くしろ!」


「お待たせしました」


早歩きで男性の元へと近づき、右手を平手にして頬目掛けて振り抜きます。


「ようやブゲェ!?」


男性が診療所から水平にきりもみ回転をしながら吹き飛び、玄関先の地面を滑っていきました。

ふむ、骨は折れていませんし、致命傷にもなっていませんね。


「いったい何事だ!」


騒ぎを聞きつけて衛兵がやってきたので事情を説明します。


「なるほど。後はコイツから聞くとするか。死んでいないだろうな?」


「大丈夫です」


「よし、念のため今日は街の外には出ないでくれ。後で連絡を寄越す」


「分かりました」


男性が衛兵に引きずられて行きましたね。診療所へ戻りましょう。


「助かったぞい、ティファレトちゃん」


診療所に戻ると、ガーロンド先生が水を温めて用意してくれていました。ありがたく頂きましょう。


「しばらくは診療所でのお仕事を増やしましょうか?」


ガーロンド先生は戦闘が出来ませんし、同じような人が来ると危険ですからね。


「そうしてもらえると助かるぞい」


私としても、教会からあまり離れる事なくお仕事が出来るのは助かります。

さて、整理整頓の続きをするとしましょう。

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