多くの新人の初恋相手
ハルフォンソの街からこんにちは。ティファレトです。
「俺と付き合ってください!」
「お断りします」
今日もお仕事を終えてギルドで報告をし、報酬を受け取ったのですが、唐突に知らない男性から告白されました。
もちろん、断ります。
「あーあ、またか」
「これもある種の風物詩だな」
私は人間の男性に非常に魅力的に映るらしく、こうして告白を受ける事が多いのですが、特に知らない人からの告白が多いです。
そういえば、馴染みの人からは告白されませんね?何か理由があるのでしょうか?
「ダーツさん」
丁度良く鉄階級冒険者のダーツさんがいるので聞いてみましょう。
「どうした?ティファレトさん。さっきの奴ならもうギルドから出たぜ?」
「そうですか。そうでは無く、私が知らない人から告白されて、馴染みの人からは告白されない理由が知りたいのです」
「ああー、気分の良い話じゃないが、聞くかい?」
「はい」
「ティファレトさんはとびっきりの美人だ。それこそサンレイン王国で一番かもしれん。そんな人を見たら若いのはコロッと落ちちまうのさ」
「私が魅力的な女性に見えるという事ですか?」
確かに美人とはよく言われますが、私には人間の美醜がいまひとつ分からないので、実感が湧きませんね。
「だけど、ティファレトさんは何というか、変わり者だからよ。そういう人は告白されにくい。だから、馴染みになった奴からは告白されないのさ」
「......よく分かりません」
つまり、どういう事なのでしょう?
「話を纏めると、ティファレトさんが良いなと思った奴の告白を受け入れれば良いって話だ。お互いの気持ちが大事だからな」
「なるほど」
やはり人間の繁殖は複雑です。
「あ、あの......」
「はい?」
ダーツさんと話をしていると後ろから声を掛けられ、振り向くと知らない男性がいました。
「僕と、付き合ってください!」
「お断りします」
再びの告白。特に産みたい相手では無いので断ります。
ふむ、少々面倒になってきましたね。
「あー、ティファレトさん。残念なお知らせがあるんだが」
お話を中断していたダーツさんの方へと振り向くと、笑いを堪えるようにしてダーツさんが言います。
「俺が知ってる限り、あと8人は告白を計画してる奴がいるから頑張れ」
「......」
もしかして、美人というのは憐れみの言葉だったのでしょうか?
「あの、ティファレトさん、ですよね?」
そして、後ろから掛けられる声。
「俺と付き合ってください!」
神?姿を変えても良いですか?駄目ですか......はい。




