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防御を学ぼう

ハルフォンソの街からこんにちは。ティファレトです。

本日はお仕事はせず、ツィツィーさんに稽古をつけてもらう予定です。

以前、ヨロイイノシシと戦った際、戦闘能力の低さを痛感しましたからね。

筋力は自分でどうにかするとして、技術面を鍛える為にその辺りが優れている冒険者に教えを乞おうと思います。


「来たよー、ティファレト」


「こんにちは、ツィツィーさん」


「うん、こんにちは」


ツィツィーさんは槍の名手、そしてハルフォンソでも1、2を争うほど防御に優れている事で有名です。


「珍しいね、ティファレトが教わりたいなんて」


「流石に技術不足を痛感しまして、少しでも生存能力を上げられればと」


「なるほどね〜。それじゃあ、準備も出来てるし早速始めよっか」


「はい」


互いに木製の武器を構えて向かい合います。


「いつでも打ち込んで来て良いよ〜」


「それでは、遠慮なく」


穂先を正面に向けて半身になっているツィツィーさんに小盾を構えながら走ります。

当然、ツィツィーさんは槍を突きだして来ますが、姿勢を低くしながらそれを盾で反らし......。


「!?」


体を跳ね上げるようにして懐に潜り込んだ瞬間、盾で反らした筈の槍が膝関節を内側から抑え込むように動き、そのまま私は膝を地面についてしまいます。


「続ける?」


「はい」


「今度は私から行くよ」


仕切り直した後、ツィツィーさんが槍を横薙ぎにして胴体を狙ってきました。

それを盾で保護しながら飛び越える形で回避し、そのまま着地してすぐに頭部目掛けて棍棒を振り上げ......。


「!」


振り下ろす瞬間にツィツィーさんが恐るべき瞬発力で私へと迫り、そのまま肩で突撃し、私の腹部に食い込ませるようにしてかち上げました。

いったい、この小さな体のどこにこれだけの力があるのか、体格で勝る私を完全に宙に浮かせます。


「よいしょ」


「かはっ」


そこから体を一回転させ、窓を拭くかのように槍で私の横腹をとらえて地面に抑え込みました。

ふむ、崩すどころか見事に返り討ちですね。


「ティファレトは柔軟性と反応は良いんだけど、動きが大き過ぎるかな。もっと最小限の動きで躱してみて」


「はい」


「大きな動きは目眩ましの時だけって意識ね」


「はい」


そこからは突き、払い、叩きつけの回避をひたすら反復です。


「移動する時は回避じゃなく、当たらない場所に移動する感じ」


「なるほど」


「回避と攻撃も繋げられるとなお良いかな〜」


「はい」


しばらく回避練習が続き、夕方になる頃には全身が土埃にまみれていました。


「今日はこんなところかな?大袈裟な動きがだいぶ減ってきてたし、良い感じだと思うよ」


「ありがとうございます」


結局、今日はツィツィーさんの守りを崩す事は出来ませんでしたね。


「それじゃ、私はそろそろ帰るね。ザバンもそろそろ依頼が終わってる頃だろうし」


「帰る前に少し待ってください」


ツィツィーさんに待ってもらい、教会の自室からヒマワリ酒を持ってきます。


「今日はありがとうございました。お礼です」


「わっ!2年物!良いの?ありがとう!」


「また時間が合えば、よろしくお願いします」


「もちろん良いよ。う〜ん、帰ってからが楽しみ!」


良い感じとも言っていましたし、このままツィツィーさんに教われば良さそうです。

それにしても、人間の戦闘技術は恐ろしいものですね。

牙や爪、毒が無くともこれだけの繁栄が出来るというのも納得です。

せいぜい、これからも敵対しないようにしましょう。

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