お手紙を書こう
ハルフォンソの街からこんにちは。ティファレトです。
今日もお仕事をしに冒険者ギルドへとやって来ました。
さてさて、良いお仕事はあるでしょうか?
「よう、ティファレト」
「あら、ジードさん。こんにちは」
「おう、こんにちは」
聞き覚えのある声に振り返ってみれば、ジードさんがいました。
ジードさんが私に話かける時は大抵何かしらの用があるのですが、今回は何でしょう?
「ティファレト。養子に行った子ども等にティファレトから手紙は書いてるか?」
「お手紙ですか?いいえ」
そういえば、巣立っていった子ども達からお手紙に返信をする事はあっても、私から書いて出してはいませんね。
「そいつは駄目だぜティファレト。子どもってのは親からの便りが無い事に不安を覚えるもんだ。忘れられてやしないかってな」
「そういうものなのですか?」
「ああ、そういうもんだ。だからよ、ジョンにも時々で良いから具合はどうとか手紙で聞いてやってくれ」
「はい」
「住所が分かんなきゃ、名前さえ教えてくれりゃあ俺の方で調べるからよ」
「大丈夫です。子ども達を忘れてはいませんし、場所も把握していますので」
「それなら良い。早速、今日の仕事終わりにでも書いてやれ」
「はい」
子ども達が寂しがるとは思いもよりませんでした。
しかし、私が子ども達を忘れる事はありませんが、子ども達が私を覚えてるものなのでしょうか?
......私だけでは答えが出ませんね、帰ったらアーノルドに聞いてみましょう。
「ただいま帰りました」
「おかえりシスター」
そういう訳で、お仕事を完了させて教会へと戻ってきました。
「アーノルド」
「何?シスター」
「あなたが巣立った時、私を覚えているのでしょうか?」
「何?急に?そりゃあ、覚えてると思うよ。忘れられないよ」
「巣立っていった子ども達も、同じように覚えていると思いますか?」
「当然だよ。シスターは僕達みたいな孤児に優しくしてくれて、食べさせてくれて、勉強だって教えてくれてるんだ。覚えてなかったら、とんだ薄情者だよ」
「そうですか」
「どうしたの?急に」
「ジードさんから子ども達に手紙を書けと言われまして。私はともかく、子ども達が私の事を覚えているのかと思いまして」
「書いてあげなよ......僕にも、書いて欲しいな」
「わかりました」
水ブドウを食べ終えた後、自室に入って筆記具を取り出します。
「はて、何を書けば......」
ジードさんは具合を聞いて欲しいと言っていましたね。
取り敢えず、元気であるかどうかと書けば良いでしょうか?
いけませんね、一通目からこんなに悩んでいては夜が明けてしまいます。
ふむ、次はアメリアですね。何から書きましょうか。




