2度目のデート
ハルフォンソの街からこんにちは。ティファレトです。
本日はレシートさんとの2度目のデート、というわけでお仕事はお休みです。
流石に街中で例のドレスは不適切でしょうし、いつもの信徒服で行きましょう。
ふむ、貰った耳飾りは着けていきましょうか。
「.......」
約束した場所に向かうと既にレシートさんが着いていました。
ハルフォンソの人間といったような馴染みある服装ですね。
「お待たせしました、レシートさん」
「いや、着いたところだ。こんにちは、ティファレトさん」
「はい、こんにちは」
着いたところだったようです。
あまり長く待たせてしまうのは申し訳無いですから良かったです。
「じゃあ、早速案内するよ」
「はい」
そういえば、こういう時は手を繋ぐと良いと本にありましたね。
「レシートさん、手を繋ぎましょう」
「えっ!?お、おう!」
レシートさんが顔を赤くしながら私の手を握ります。
こうして見ると、私より背は多少高いぐらいですが、手は全く比較になりませんね。とても大きい。
「こ、ここ、ここだ」
レシートさんがマンマルコッコの真似をしながら案内してくれたのは、どことなく古い雰囲気でありながら手入れの行き届いたお店でした。
「いらっしゃい。2人かね?」
「はい」
店員さんの案内に従い、2人で席に着きます。
全体的に飾り気がありませんが、落ち着いた雰囲気のある静かなお店ですね。
喫茶店というのでしたか?酒場とは違う食事を楽しむお店のはずです。
「はい、メニュー」
「なんという事でしょう.....」
「な?凄いだろ?」
メニューを確認すると、水ブドウを使った実に様々な料理がありました。
これほどに充実しているメニューを見るのは生まれて始めてです。
1つ1つが水ブドウとしては非常にお高いので悩みどころではありますが、これは出来る限り頼んでみたいですね。
「また来れば良いんだし、今日だけで全部頼まなくても良いと思うぜ」
「!」
確かにレシートさんの言う通りです。
せっかくの水ブドウ料理を満腹で味わいを半減させるのはとても勿体無い。
それに長期的に通う事を考えれば一品を頼んで満足するのが良さそうです。
「俺はこの水ブドウステーキで頼む」
「私も同じものをお願いします」
ひとまずは、レシートさんに乗っかるとしましょう。
同じ食事を食べると美味しく感じるとも本に書いてありましたしね。
「おまちどう」
レシートさんと近況を話し合っていると料理が運ばれてきました。
「お、きたきた」
「まぁ!」
半分に切って焼いた水ブドウの上に、匂いからして肉汁と水ブドウで作ったソースをかけ、ヌマニンニクのすりおろしを添えています。
「神よ、今日の糧に感謝します」
「感謝します」
祈りを捧げ、いざ実食。
「素晴らしいですね。また1つ水ブドウの可能性を見ました」
香ばしさの中に瑞々しさがあり、濃厚なソースが重厚感を出し、添えてあるヌマニンニクをつければ深みのある刺激も追加されるという驚きの一品です。
「美味いな。生の水ブドウとはまた全然変わるもんなんだな」
「実に素晴らしいです」
生の水ブドウとは違った満足感がありますね。
ふふふ、次に来る時が今から楽しみです。
「ありがとうね」
多幸感と共にレシートさんとお店を出て、手を繋いで歩きます。
お互いに夕方からは用事がありますので、そろそろお開きかという時に、レシートさんが私を見て話かけてきました。
「気に入ってくれたみたいで良かったよ」
「素晴らしいお店です。レシートさん、教えていただきありがとうございます」
「もし、ティファレトさんが良かったらさ、次も一緒に行かないか?」
「はい、もちろんです」
断る理由はありません。
今日のデートは素晴らしい体験だったのですから。
一緒に食べる事の違いは分かりませんでしたが、きっと、このような体験も含まれているのでしょう。
それなら、次もと期待してしまうのは欲張りでしょうか?
「それじゃあ、今度お互いに時間を空けようぜ!」
「はい」
次は何を食べましょうか?ああ、今から悩みます。




