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痒いアイツ

ハルフォンソの街からこんにちは。ティファレトです。

今日もお仕事を探しに冒険者ギルドへと来たのですが....。


「.......」


「痒いぃいい」


どなたも痒そうにしていたり、顔を顰めています。

これは、痒さをもたらす例の虫ですかね?


「こんにちは、ロールさん。ユビムシですか?」


「こんにちは、ティファレトさん。そうなんです。毎年この季節は多く発生するのですが、今年は多くて」


【ユビムシ】

羽で自在に空を舞い吸血する、指先にも満たない小さな虫です。

その特徴はなんといっても、名前の由来通り指と指の間を好んで噛んで吸血する事です。

ユビムシに噛まれた跡は3日は強烈な痒みが続き、集中力を削ぐ害虫として人々からは忌み嫌われています。

生息域は世界各地とも言われていまして、この世界に生まれた以上は被害にあうのが運命ともされています。


「ティファレトさんは平気なんですか?そういえばミリアーネさんも平気そうでしたけど。私なんて2箇所噛まれてしまって.....」


ロールさんの指の間を見ると、しっかりと2箇所噛まれて赤く腫れていますね。

はて?そういえばここ数年は噛まれていないような気が.....。

ハルフォンソに来た当初は被害にあっていたのですが.....。


「そういえば、私も最近噛まれてないかも。ザバンは噛まれてるのに、何で?」


ツィツィーさんも噛まれていないようですね。

女性が噛まれない?いえ、ロールさんが噛まれています。


「皆さんの共通点は冒険者ですが、それは関係ありませんよね」


「はい」


周りは噛まれている人ばかりです。


「あ、私わかったかも」


ツィツィーさんが閃いたようですね。


「もしかして、水ブドウの搾り汁を塗ってるかどうか、とか?」


「私は毎日塗っていますね」


「私も塗ってるし、ミリアーネも塗ってるはずだよ?ティファレトを見習って塗ってる人ってもう随分少なくなったんだよ。面倒くさいからさ」


「な、なるほど。それは盲点でした。試しに今日から塗ってみます」


やはり水ブドウは偉大です。

食だけでなく害虫避けにもなるとは、素晴らしい果物ですね。

それから暫くして、話を聞いて水ブドウを塗った人とそうでない人で決定的な差が出たらしく、冒険者達の間で水ブドウの有用性の1つが周知されました。

そういえば、水ブドウの香水もありますし、アレにも効果があるかも知れませんね。



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