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命懸けの呆れごと

ハルフォンソの街からこんにちは。ティファレトです。

今日のお仕事も終わり、これから水ブドウを食べようとしたのですが、突然ギルドの扉が慌ただしく開きました。


「ティファレトさんはいますか!?」


扉を開けたのは診療所の助手であるパンジーさんでした。


「はい、いますよ」


恐らく緊急でしょうし、話を聞きましょう。


「良かった。いますぐ手伝いに来てくれませんか?」


「はい、大丈夫ですよ」


私が必要という事は奇跡か筋力かどちらかが必要という事でしょう。

それも緊急とは、いったいどのような患者なのでしょう?


「おお、来たかティファレトちゃん。待っていたぞい」


「こんにちは、ガーロンド先生」


お馴染みの診療所に、お馴染みのガーロンド先生がいました。

はて、緊急のわりには落ち着いた様子といいますか、呆れているような様子ですね。


「患者はこっちじゃ。先に言っておくが、緊急ではあるが馬鹿馬鹿しい内容じゃからの。覚悟しておくれ」


「はい」


はて?馬鹿馬鹿しいとは?


「痛ぃ......痛ぃいいい」


女性がベッドでうつ伏せになり、痛みに喘いでいますね。

見た目には異常は見当たりませんが.....いえ、尻から何かが生えていますね。


「患者は肛門に太い鉄の棒を挿れておる」


「はい?」


「困惑するじゃろ?儂もじゃ」


「肛門は出すところです。入口ではありませんよ?」


「その通りじゃ。どうも快楽を得る為に試したら抜けなくなったみたいでの。切開して取り出す事になったのじゃ」


「なるほど、それで私ですか」


痛みに暴れるので押さえつける役ですね。


「魔術の回数は大丈夫なのですか?」


「あと1回はいけるぞい」


手術が必要な時に魔術が使えないのは危険ですからね。下手をすれば明日に延期になります。


「.........」


タオルを口に噛ませると目は虚ろな状態。痛み止めが効いてきたようです。


「それでは、手術を始めるぞい。パンジーちゃんは増血剤の準備、ティファレトちゃんは押さえの準備じゃ」


「はい」


「〜〜〜〜ッッッ!!」


ガーロンド先生が肛門部を切り、内側から広げるようにして鉄棒を引っ張りだします。

そして完全に抜いた後、傷になった部分と切った部分を魔術で癒着。

患者から強い力を感じますが、冒険者でも兵士でも無い女性。冒険者によるそれ以上の筋力で無理矢理押さえこみます。


「癒着〈ペースト〉。よし、成功じゃ」


この間、3分です。


「ふぅ、助かったぞいティファレトちゃん。すまんかったの、仕事終わりじゃろ?」


「大丈夫です。後片付けも手伝いますよ?」


「すまんのぅ」


いったい何がどうして鉄の棒を肛門に挿れるという暴挙に出たのかは分かりませんが、暫くは排泄の度に激痛が起きるでしょうし、2度としない事を願うしかありませんね。

ガーロンド先生の魔術回数もある事ですし、自傷行為で消費されるのは勿体無いですから。

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