とある人物の調査所見
サンレイン王国内において、近年賑わいをみせる街ハルフォンソ。
その街に在住するティファレト氏についてここに記す。
まず、調査をするにあたった要因として、ティファレト氏が信徒及びシスターと呼ばれる存在である事が大きい。
信徒とは、常軌を逸するほどに神を信仰する者であり、様々な奇跡を神から賜る代わりに様々な制約を課される者の事だ。
近年において、信徒は探すほうが難しいほどに数を減らしており、現在奇跡を行使する者のほとんどが仕込みによる見せかけでしか無い。
そんな状況で信徒発見の報告があり、それがティファレト氏だったというわけだ。
ティファレト氏に対する街の評価は非常に高い。
聞き取りをした全員が一貫して変人であると評しているが、それと同時に街の多くの事に貢献しているとも評している。
寄生虫治療、診療所の助手、教会での孤児の保護、安全なお産への貢献、非常に多くの実績を持っているといえるだろう。
また、彼女は冒険者としても名を連ねており、なんとその階級は銅階級だ。
つまり、国軍の隊長と同等かそれ以上の戦闘能力を有すると考えられる。
戦闘中も奇跡を行使出来るとも証言が上がっており、もし本当ならば建国史上類をみない信徒だと言えるだろう。
人柄としては寡黙かつ無表情であり、何を考えているかはいまひとつ分からないが、孤児からは確かな信頼を得ているようだ。
好物は水ブドウであり、信じ難いが食事のほとんどが水ブドウとのこと。
見た目は非常に分かりやすい。
まず、とにかく目を引く美貌だ。
金糸のような長髪に、切れ長の目、サンレインでは彼女以上は存在しないと断言出来る胸部の大きさ、にも関わらず細い腰。
彼女の来歴には非常に不明な点が多い。
自身でも覚えていない事が多く、情報を纏めると孤児以外には考えられない。
幸いにも、争いを好む性質にはとても見えず、本人からの説明によると、奇跡は戦争のような人間同士の大規模な戦闘では許可が下りないとの事だ。
また、ハルフォンソを気に入っているらしい。
以上の結果から、サンレイン王国に不利益をもたらす存在とはいえず、王国発展に寄与する者だと私は評する。
サンレイン王国国内調査員レベッカ




