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再び給仕するシスター

ハルフォンソの街からこんにちは。ティファレトです。

お仕事が無いか冒険者ギルドまで来たのですが、今日は喧騒が激しいですね?


「来たか、ティファレト」


「こんにちは、ギルド長」


ギルド長が珍しく1階で書類を睨んでいます。

以前にもあったこの光景という事は、給仕の依頼でしょうか?


「なんとなく察しているようだな。そうだ、今日は給仕を頼みたい」


「わかりました」


「こうなると専用の給仕服を支給すべきだが、残念ながら今は手元に無い。悪いがそのまま給仕してくれ」


「はい」


緊急性のある事態なだけあり、この給仕の依頼料はそれなりの稼ぎがありますので悪くはありません。

早速、料理長に話を通し、お仕事の開始と行きましょう。


「げ、今日はティファレトが給仕すんのか」


「あん?目の保養になって良いじゃねぇか」


「酒が飲めなくなるのがな......」


「何で飲めなくなんだよ?」


「あぁ、お前はあの時いなかったか。実はな.....」


「ひぇ......」


以前と比べてお酒の注文が随分と少ないですね?

代わりに食べ物の注文が多いので料理長が大忙しです。


「皆さん、今日はお酒は頼まないのですか?」


「お前......あんな事があって頼める訳がねぇだろ。あんな痛みは2度とゴメンだ」


「?.......酔っていけない事をしなければ良いだけでは?」


「いや、それは、なぁ」


「それは難しいんだよ」


「そうですか」


私はお酒が飲めないので、その辺りの感覚は分かりませんが、皆さんがそう言うならそうなのでしょう。

ふむふむ、ヒマワリパンにマンマルコッコの串焼きですか。


「おーい、ティファレト」


呼ばれたので振り向くと、そこには鉄階級冒険者のザバンさんがいました。


「ザバンさん、どうしましたか?」


「今日は冒険者業は無しだろ?それでだ、中の帷子は脱いだらどうだ?必要は無いし、俺達も給仕の度に金属が擦れる音がするのは落ち着かねぇ」


「ふむ、それもそうですね。音が気になるなら脱いでしまいましょうか」


皆さんに断りを入れ、奥で帷子を脱ぎます。

皮鎧も脱いでしまいましょう。

これで冒険者用のシャツとズボン、靴のみとなりました。

ふむ、確かに給仕中はこちらのほうが良さそうですね。

戦闘中に揺れるのは困りますが、給仕中であれば困る事はありませんしね。


「お待たせしました」


「おお、そっちのほうが動きやすそうだぜ!」


「そうですね、助言ありがとうございます。それでは、お仕事に戻りますね」


体が軽くなって良い感じです。

心なしか、皆さんも静かになって注文も取りやすくなって良い事尽くめですね。


「ザバン、お前天才かよ」


「ティファレトはこういった所は鈍いからな。親切に助言をしてやればこの通りよ」


「いや、でも、これ、生殺しじゃねぇか?」


「......まぁ、ティファレトが給仕の日は娼館に行く日で良いんじゃねぇか?」


「だな」


何やらヒソヒソと話をしているようですが、その目つきは真剣そのものです。

恐らく、彼等にとって大変な依頼の打ち合わせをしているのでしょう。

是非とも食事を摂って頑張ってもらいたいものです。

さてさて、次はあちらに串焼きですね。

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