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害獣駆除

ハルフォンソの街からこんにちは。ティファレトです。

今日も今日とて冒険者ギルドでお仕事探しです。

何か実入りの良いお仕事はありませんかね?


「あ、ティファレトさん。一緒にこの依頼はどうだ?」


「あら、レシートさん。こんにちは。ふむ、カチワリザルの駆除ですか」


「ああ。近々トルンの森を商隊が通るらしくてさ、その前の露払いってやつ」


中々に良い金額ですね。

1人でするより効率的ですし、レシートさんなら信頼出来ますので受けましょう。


「それではレシートさん、お願いします」


「おう、よろしくな!」


トルンの森。

そこには寄生虫やらイノシシやらもいますが、最も多くの人々を殺しているであろう生物がカチワリザルです。

10匹ほどの群れか、群れから追放された単体で生活する猿であり、1番の特徴は狩りの方法にあります。

人の頭部ほどの大きさの石を抱えて木に登って待機し、下を通った生物目掛けて一斉に落下。

そのままの勢いで石を振り下ろして頭をかち割るという方法をとります。

良く見れば木に痕跡があるので、慣れれば気付く事が出来ますが、そうでなければ草木が揺れた音を察知した時点で死にます。

とはいえ、危険なのはそれぐらいなので、事前に場所を把握してさえいれば、銅階級冒険者にとっては脅威ではありません。


「おらっ!」


「ぶぎゃ!?」


「.......」


「げぺ!?」


こうして落ちてきた所を避け、着地隙に武器を振れば簡単に返り討ちに出来ます。

ですがこれは、私達が少数だからこそ出来ること。

商隊なら馬車も多いでしょうし、荷台や馬をかち割られるのはたまったものでは無いでしょう。


「依頼分は達成したけど、まだ余裕あるし、もう少し狩るか?」


「そうですね。もう少し稼ぎましょう」


苦戦する要素はありませんし、証拠と皮を剥いでお金へと換えていきましょう。


「よし!そろそろ暗くなってくるし、帰るか」


「はい」


合計で25体。中々に良い成果です。


「はい、確かに確認しました。依頼達成金はこちらになります」


ローラさんからお金を受け取り、レシートさんと山分けします。


「良い感じだったな。そう言えば、皮鎧変えたのか?」


「はい。以前のが壊れてしまいまして」


見た目の変化は乏しいのに良く気付きましたね?


「なんか動きにキレが出てたからさ。もしかしたらってな」


「なるほど」


新しい鎧にしてからというもの、非常に動きやすくなりましたからね。


「それでは、私はそろそろ教会に戻りますね」


お互いの近況を話し合い、あっという間に時間が過ぎて教会に帰る時間が来ました。

心配するからという理由で、私は子ども達から門限を言い渡されているのです。


「ああ。......ティファレトさん!」


「はい?」


「またよろしく頼むぜ!」


「はい」


レシートさんとお話をしていると、どうにも時間が早くていけませんね。

ただの話し合いだというのに、まるで本を読んでいる時のようです。

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