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ハルフォンソの街婦人会

ハルフォンソの街からこんにちは。ティファレトです。

今日は冒険者業はお休みでして、こうして読書を...。


「?」


玄関の扉が控えめに叩かれていますね。来客でしょうか?


「どちら様でしょうか?」


「あ、ティファレトさん。こんにちは」


「アニスさん、こんにちは」


来客は冒険者ギルド受付の1人、アニスさんでした。


「ティファレトさん、もし暇があれば婦人会に参加しない?」


「婦人会ですか?」


何でしょう?聞き馴染みの無い名前です。


「ハルフォンソで子どもや夫を持つ女性が情報交換をする為に作った会なの。ティファレトにも参加して欲しいなって」


「夫も子どももいませんが?」


今のところ、私は未婚ですし産んでいません。


「でも、教会で子ども達のお母さん代わりではあるでしょう?子育てって悩みが付きものだし、その悩みを解決したり出来るのは良いと思わない?」


「確かにそうですね」


子どもはとても弱いです。

食事に気を配らないといけませんし、少し目を離せば死ぬような目に遭いますし、それでいて観察力があります。

そんな子ども達の選り取り見取りな死因を少しでも防げるのではあれば意義はあります。


「それじゃあ、会場に案内するわね。と言っても広場なんだけどね」


広場ですか。あまり用が無いので近づかない場所ですね。


「そういう訳で、ティファレトさんにも来てもらったわ」


「ティファレトです。よろしくお願いします」


広場に来ると、結構な数の御婦人達が集まっていました。

よく見るとジードさんの奥さんもいる辺り、貴族と平民の枠組みも無さそうですね。


「ティファレトさんの所では何を食べていらっしゃるの?」


「以前は水ブドウでしたが、子ども達に怒られてしまいまして、今はお肉やヒマワリパンが主ですね」


「まぁ!お肉を出しているのですか?」


「はい。月々の契約を交わしていまして。その分の費用を冒険者業で稼いでいます」


「流石に私達では出来ませんわね。他に子ども達としている事はあるんですか?」


「勉強や料理、子によっては一緒に鍛錬をしています。料理にいたっては子ども達の方が上手ですよ」


「素晴らしいですわ!いっその事、孤児院として立ち上げては?」


「流石に狭いですし、私も留守にしがちなので本格的な孤児院としては難しいです」


「残念ですわね。最近は孤児院に空きが無いようですし、どうにかしたいのですけれど」


ジードさんの奥さんは色々と悩みが多いようです。

ジョン達の養子縁組も中々決まりませんし、孤児問題は庶民も貴族も共通の悩みですね。

え?泥を洗い流すのはアワダチソウの前にツルツルイシで擦ると簡単に出来るのですか?

インク汚れはギトギトヒマワリの油で取れる?

なるほど、確かにこの婦人会は有意義ですね。

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