揺るがぬ強さは無い
ハルフォンソの街からこんにちは。ティファレトです。
診療所でお仕事をした帰り、冒険者ギルドに報告をする為に戻って来たのですが......随分と騒がしいですね?
「ぬ......ぐぅ」
「......く」
「バッシュの勝ち!」
「うおおおお!?」
「ついにバッシュがジードさんに勝った!」
どうやら腕相撲をしていたようです。
それにしても、バッシュさんがジードさんに勝ちましたか。
これでハルフォンソにおける一番の力持ちはバッシュさんになりましたね。
「かーっ、遂に負けちまったか!あーあ、俺も年かねぇ」
「謙遜を」
「謙遜じゃねぇよ、事実だ。お前も、あと10年経てば分かる」
「......」
「ま、腕相撲はともかく、戦いじゃあまだまだ譲る気はねぇがな!ガハハハハ!」
如何に銀階級という超人でも、人間は人間。
老化による身体能力の衰えは避けられない事ですか。
私はどうなのでしょう?やはり衰えていくのでしょうか?
「お二人とも、こんにちは」
「おう、ティファレト!遂にバッシュに負けちまったぜ!」
「こんにちは」
ハルフォンソで1、2を争う体格の2人が丸机を囲むと机が小さく見えますね。
......そういえば、あれから筋力を増強したのですし、試すのに良い機会ではないでしょうか?
「バッシュさん、私とも腕相撲をしてくれませんか?」
「......構わんが」
「以前、腕相撲をした時と比べて筋力を増やしたのです」
「ほー、見た目にはそんなに変わったように見えんがな」
「そうですか?」
確かに腕が太くなった気はしませんね。
「組めば分かる......始めよう」
バッシュさんが丸太のような腕を机に置きます。
相変わらず手が大きくて握り返すのが大変ですね。
「よーし!それじゃあ......始め!」
「む......」
「......」
以前のように即座に敗北はせず拮抗出来ていますが、重いですね......腕を倒すまでが出来ません。
「ふん!」
「うっ......」
「勝者!バッシュ!」
「おいおい、ちょっと耐えてたぜティファレト」
「あの見た目でそれは詐欺だろ」
流石に敵いませんね。
「随分と鍛えたようだ......本気を出すとは思いもしなかった」
「やるじゃねぇかティファレト!俺も負けてらんねぇな!鍛え直しだ!」
「以前と比べてどうでしたか?」
「比べ物にならん」
どうやら筋力の増強は上手くいっているようです。
このまま鍛えてバッシュさんを超えられたりはしませんかね?
「俺も......鍛え直しだ」
暫くは超えられそうにありませんね。




