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死神ルカと曖昧な空  作者: 夜空木春
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第5話 バイト先そして死神との共同作戦

書いていくと日常と非日常の間が難しいんでよね。

あと私絵を描くのがとても下手くそで中学の時に円をおにぎりと笑われました。今回のエプソードと関係ないけど



7月29日、12時47分。コンビニバイトをしていたら、強盗が入ってきた。

心臓の音が止まらない。無理もないか。だって俺は今、強盗がコンビニにいる中――トイレの用具入れに隠れているのだから。

「どういう状況なんだ、ルカ」強盗にバレないよう、小声で聞いた。

「今、強盗がお金を出させようとしてるよ」「そうか。後輩はどういう状況だ?」「えっとね……脅されてるね。すごく震えてるよ」

どうするこの状況……いや、どうにかするんだ。落ち着け、考えろ。

……待て。俺は今、一人じゃない。ルカがいるじゃないか。いや、でも頼り過ぎは……どうしよう。

俺が悩んでいると――

「頼ってもいいんだよ、朔夜。一人で抱えないで」まるで俺の考えを読んだかのように、ルカが言った。

……そうだな。俺一人じゃ無理でも、ルカとならできる。

「ルカ、お前の性格はよく知ってる。……死神として、言ってないこと、あるよな?」「な、ないよ……」

図星だったようだ。

「で、どんなのだ?」「えっとね、たとえば死神の衣装を亡霊風に変えることが――」「今の状況考えて」「ごめんごめん、冗談だよ。これなんてどう? この鎌で切ったら切断されるとか」「それはやりすぎ」

ダメだ、ルカだと加減がわからない。下手したら強盗が三途の川を渡るかもしれん。仕方ない、ここは俺がやるしかない。

「ルカ、お前って声を聞こえるようにできるよな?」「うん、できるよ」

よし、これならいける。

「ルカ、作戦はこうだ。トイレの近くで、できるだけ大きな声を出してくれ」「その後はどうするの?」「俺がなんとかする」「……分かった」

少し信じていないような雰囲気だったが、時間がない。

「よし、行くぞ」

覚悟を決めた。


――一方、店内では。

私の名前は如月 紗月。ここのコンビニでアルバイトをしている高校生だ。今、この店は強盗に襲われている。怖い。でも、どうにかしなきゃ。

そう考えていたとき――

「キャーッ!」

悲鳴が聞こえた。場所は、トイレから。そして、気がついた。先輩――黒沢先輩がいないことに。どうしていないのか疑問に思ったがとりあえずこんなときに限って、あの人いないなんて……ほんと、タイミング悪いんだから(ちょっと、顔見たかったかも)……先輩、どうか無事でいてください――なんて、私らしくもないけど。


よし、強盗がトイレに近づいてきた。だが油断はできない。タイミングが重要だ。

「おい、誰かいるのか?」

強盗がトイレ前に来た。

今だ。今しかない。

俺は勇気を出して、掃除用具入れから飛び出し、モップを思い切り振り下ろした。

「っ……!」

多分、気絶したと思う。よし、これで――と思った瞬間。

「危ない!」

そう言って、ルカが俺を突き飛ばした。

「痛っ……何すんだよ!」「助けてあげたんだよ。全く、朔夜は爪が甘い」

ともあれ、強盗を退治することができた。


その後、後輩が警察に連絡し、事態は無事に収束した。バイトの時間も終わり、俺は更衣室で着替えていた。

「今日も災難だったな、ルカ」「そうだね……。そういえば、朔夜って両親他界してるから遺産もらってるよね?」

いきなり変な話題をふってきた。

「そうだな。まぁ、一円たりとも使ったことないけど」「じゃあさ、バイト辞めて全部使えば?」「は?」

突然とんでもないことを言い出した。

「いやいや、どうしてそうなるんだよ。確かに俺には遺産があるけど、それじゃただの親のスネをかじるニートじゃねーか」

「私、朔夜を助けたよね? 2回も。つまり貸しがあるのに、私の言うこと聞けないの?」

くそっ……こっちが不利すぎる。でも、まだ負けたわけじゃない。

「だいたいなんで辞めさせるんだよ」「だって、今日みたいなことがあったら朔夜の命が何個あっても足りないじゃん」

「あーもう、分かったよ。仕方ないな。辞めてやるよ……」

もはやヤケだった。

「……俺、ほんとはこのバイト、嫌いじゃなかったんだけどな」「残念私は一応死神という悪寄りの神なので」


「先輩、バイト辞めるんですか? なんでですか?」

バイトを辞めることを店長に伝えたら、後輩に質問された。

「まぁ、こっちにも色々事情があるんだ」「先輩、また会えますよね?」

「……まぁ、そうだな」「会えるさ。きっとな」

はぁ、まったく。昨日といい今日といい、ルカの言う通り――命が何個あっても足りないよ。

そんなことを思いながら、7月29日は終わった。


翌日。

ピンポーン、とチャイムが鳴った。

「全く、ニートになった俺に何の用だ……」

昨日のこともあって、疲れていた。ルカはまだ寝ている。静かでいいや、と思いながらドアを開けると――

「おはようございます、先輩。今日からお隣さんとしてよろしくお願いします♪」

……へ?

「なんでここに……?」

「ご縁ですね♪ それとも、運命?」

7月30日。後輩が隣に引っ越してきた。そして――再会は、早すぎるだろ。


今回も読んで頂きありがとうございました。次回の投稿は少し遅れると思いますがなにとぞよろしくお願いします。ではまた次回に

そういえば朔夜今日も死にかけ

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