7危険
「くはは、ここなら……。」
童の後ろで肩を持つ。身長差があるので親子が話仲むつまじく話しているようだ。
「童、お前ここで待っておれ。」
不気味な笑顔で語りかける。童は奇物を見つめている。
奇物はその場から離れて行った。
(ここは治安が他よりよっぽど悪い。さぁ、どう行動するのか。実物だなぁ。)
奇物は薄暗い路地から童を観察してた。
「おぉ?!子供じゃないか。売り飛ばして大金に!」
颯爽と悪者が童に襲いかかる。と思ったら、他の奴らも一緒に童目当てに襲う。囲まれた。
「ぁ、奇物さん。」
小さく呟く。奇物と目が合う。
(ほう、隠れているのにここまで分かるのか。)
悪物が童に殴りかける。童は単純作業のように避けて、奇物の方へ一直線に走って行く。しかし、悪物が邪魔だ。
「んぐぅ、じゃま。」
眉間に皺を寄せる。そうだ。奇物さんの真似をすればいい。真っ赤な火を思い出して。
悪者に手をかざす。
「……ぐあっ!」
目の前で燃えてなくなった。この感覚か。踊るように火を出して行く。着物の袖が宙を舞う。次々と悪物が灰になって消えていく。
「ここまで才能があるとはな……!」
悪巧みしている笑み。奇物は感動で打ち震えた。それと同時に、後ろから奇物の財を狙って襲った奴が呆気なく灰になった。今はそんなのどうでもいい。
「奇物さん。」
小さく奇物に言う。童に襲いかかる奴はもういなかった。
「童。そこまでやるとは。お前には手伝ってもらおう。」
「! ほんと、」
きらきらとした純粋な目で見られる。
「あぁ、ほんとさ。たとえ、お前の命が無くなるとしても付いてこい。覚悟はいいか。」