5/13
5取引
「あぁ、元気にしとったか、奇物。」
「お陰様でな、食夜。」
大きい縦長の部屋。強い月明かりに照らされて、玉座に食夜が座っている。
「単刀直入に言うが、俺と取引をしてくれないか。」
奇物は何か企んでいる様な顔だ。
「ほう、聞こうじゃないか。」
「あいつの居場所を突き止めて欲しいんだ。そんな事、お宅は容易い御用だろ。」
「あいつ……とな。あいつとは鬼の事か。」
「あぁ。」
「お前と鬼は昔、仲良かったじゃないか。どうしたんだ。今は。」
食夜は煽っている。
「はぁ。お前なんぞに関係ない。」
「ため息とはな。お前、嫌いじゃなかったのか。」
高笑いしている。
「これは溜め息ではない。俺で遊ぶな。で、引き受けてくれるのか。」
「あぁ。乗ろう。」
二人の間に怪しい空気が漂う。
「ん、」
食夜が鋭い目を移す。
「そのちぃさいのはなんだ。ともだちか。」
「あぁ、こいつか。知らん。勝手に付いてきおった。」
童は奇物の背中から、ひょこっと顔を覗かせている。
「ふぅん。まぁ、早めに取引は進ませる。」
奇物へ目を移し直す。
「あぁ、頼んだ。」
濁点ちっさ!!いけど頑張って見てください。