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鬼火  作者: あ行
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2道端

ボロ屋が並ぶ道。奇物(きもの)は淡々と着物の袖に手を入れ、砂利と砂の上を歩いている。

「 」

 奇物が真っ赤果実のような目を移す。目先にはボロボロの子供が道の端っこに座っていた。

「おいお前。」

 枯れた声。奇物は子供に話しかけた。いつもなら無視をして通り過ぎる。しかし今はむしゃくしゃしているので、八つ当たりをしに来たのだ。子供は見上げる。ぐいっと顔を近づける。

「ふぅん、まだ童なのか。小汚いのぉ。お前なんぞ道端の花同然。いない方がましじゃあ。」

 童の髪を荒く掴んで、憎たらしく言う。屈んで目を細め、じっと見つめる。童は黙ったまま何も言わない。

「そうか、そうか。何も言えんのか。可哀想じゃのう。」

 奇物はぱっと掴んだ手を離す。その衝撃で童の頭がガクンと落ちる。

 奇物はいつも通りに歩いて行く。その後に童がついていった。

奇物(きもの)→奇妙な奴

童→静かな子供


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