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1どこだ
「……がはっ!」
意識が朦朧としてる。肺から血の味がする。目に赤い血が流れ込む。身体がびったり床についている。唯、一瞬記憶に残っているのは、見下ろしてくる子供だ。
「そうか……!思い出した……!!」
儀式が終えた頃、子供が堂々と入ってきやがった。何かと思いかけた瞬間、あいつ他の者達を気絶させおった。木の棒が倒れていくように、どんどん倒れてゆく。俺は燃やしてやろうか思ったが、遅かった。鈍い音がまだ耳の奥で残っておる。その瞬間、子供が俺の方を見おった。あれは子供ではない。鬼だ。
「! あいつは?!」
見渡す。いない。面倒な事になってしまった。
はっはっは
奇妙な乾いた笑い声が、転がっている死体を通って響き渡る。
「あいつ、どこ行きやがった?」
ぎょろっと血眼が動く。
「まあいい……絶対に見つけてやる……!地獄の果てまでなぁ……!!」
血だらけの顔がさらに赤く染まった。