8 シルビアの叱責
マリエールはシルビアの叱責を受けた。しかし叱責を受けるべきが王子や国王側あることも判った。
8 シルビアの叱責
妖精同好会の時期でもないと思われるころ、シルビアが現れた。
「あなたに話しがあるの。放課後何時もの会議室に来て。」
マリエールは頷いた。シルビアは去って行った。あのくらいの能力者なら私がこっそりと組み合わせしているのはお見通しね。私にそれを教えろということかしら。数が多すぎて難しいと思うのだけど。
放課後になったので会議室に向かった。シルビアはもう着席していた。向かいの席に座るよう目で合図した。マリエールが着席するのを確認してシルビアは話し出した。やはり叱責のようだ。
「あなたの考えていることが判らないわ。あなたは組み合わせを辞めると言ったのにこっそりと続けているし、王子はそのことを知ってもマリエールのしたいようにさせればいいというし、一番悲惨なのは国王よ。軍務大臣の発言であなたが殻に籠もったのは理解したけど処分は中途半端。最近は私が死ねばマリエールが許してくれるならいつでも死ぬのだがと言われているわ。あなたは何をしたいの。」
マリエールはすうとため息を付くと。
「私は王子に国王へ魔法を正しく理解し使える方を集めて頂くようお願いしました。でも結果はこれです。私はこの人なら任せられると確信出来る人が現れるまで待ちます。あるいは自分で世界を良く出来る自信が持てるまで力を蓄えます。」
シルビアが考えていた以上にマリエールは恐ろしい存在なようだ。
「今の国王や王子では信頼は出来ないということ。」
少し考えてマリエールは応える。
「国王は信頼出来ません。人を見る目がありません。王子は良く判らないです。正直頼りなく思いますが、あの会議が国王の独断なら
王子には罪がないのかも知れないですが、国王の独断を止められなかった王子の責任はないのかしら。」
こんなにもあっさりと国王を非難出来るのはマリエールの自信の現れなのだろう。
「軍務大臣やその家族、家臣の人々はどうするの、いつ殺されるかびくびくしているのよ。」
呆れるような顔をマリエールはした。
「そんなもの知らないわよ。軍務大臣が平然として入れば思うことあるでしょうけど、他の人達は知らないわ。」
その他細々ことを話しあったが、肝心な事は王子がマリエールの信頼を勝ちうるかどうかだということで一致した。
シルビアは王子に報告した。シルビアは王子がマリエールの信頼を勝ち得るかどうかでこの国の将来が決まる。信頼が於ける人物がいなければ自分が独裁政治をひくつもりだと言った。王子は渋い顔をしながらも納得したようだ。そして策はあるかと聞いた。
「あなたの信頼性が問われているのですからご自分で考えなくてはぼろが出て殺されると考えるべきです。マリエールの不信感を頂かせては全てが終わりです。策はあります。マリエールが王子に託した6つの魔法を使うのです。」
シルビアは細かく説明した。あくまでもご自分の案として真摯にマリエールと対峙すること。実施する上での問題点を確実にクリアしていくこと。マリエールの信頼を揺るがせないことを念押しした。
シルビアは王子に報告して策を与えた。これに失敗すれば、王族は命を失うだろう。