7 2年生を迎える
マリエールの胸に突き刺さった棘は痛み続ける。解決の糸口は見えない。
7 2年生を迎える
こうして活動は続きマリエールの心も落ち着いた。妖精の力とマリエールの魔法は再開されておりも50を超える。マリエールを好きな妖精は沢山居て順番待ちなのだそうだ。でも王子やシルビアには言わない。もう2度と会議などごめんだ。
王子はシルビアに聞く
「マリエールは組み合わせやってないのだろうか。」
シルビアは冷静に応える。
「やってますよ。マリエールの魔力が飛躍的に増大していますから。」
王子はそれを言わないマリエールの気持ちを推し測った。
「裏切りられたという思い強いのだろうな。マリエールが我々に心を開くことはないのだろうな。」
シルビアは王子を諭す様に
「マリエールは同好会にも来てくれます。新しい技術も時々教えてくれます。王子と国王はマリエール繋ぎ留める手札をお持ちです。国王と相談してみてはどうです。今のようにいつマリエールが外国に逃げ出さないか心配しなくてもいいでしょう。」
元軍務大臣の伯爵領は10分の1以下になり辺境の草原の土地だが領地だ。魔獣が多く、冒険者ギルドもあり街を成していた。その横に村があり冒険者の街に作物を納め生計を立てていた。年貢の取り立てもギルドが代行していたので踏襲する。20人が新しい領地に来たが年貢だけではとても足りない。領主自ら農作業をしたり冒険者になるものいる。今まで温々と生活して来た連中に取って耐えがたい生活だ。その恨みは元軍務大臣にも向くし決定した国王にも向く、しかし最大怒りの目標はマリエールだ。そして元軍務大臣は牢の中だ連日尋問が繰り返される。
「私は国のこと思いマリエールに頼んだのです。このような扱い受ける言われはありません。」
すでに正常な精神機能はない。被害妄想の塊だ。マリエールが何を望むのか判らない以上何もかも中途半端だ。
国王は思う。マリエールがルドルフとの婚約を望んでくれるならもうしぶんない。しかしマリエールは国への不信感を抱いている。全ては私の至らなさ故だ。一層私が死ねばマリエールの気持ちが晴れるなら喜んで死ぬのに。
マリエールは2年生になった。表面的には明るく振る舞うが人間不信の感情は拭い去れない。マリエールは淡々と課題をこなす。学校での成績は常に一番。友人も多く明るく話し影は見せない。妖精同好会にも欠かさず出席し明るく振る舞う。しかし、妖精の力とマリエールの魔法との組み合わせは最近では毎日行われ、時々変幻自在の力を使い外出している。何しているのか不明だ。何でも出来るマリエール、出来てしまうのにその能力をひた隠すマリエール目的
が分からず、周りは右往左往する。
一番の理解車である筈の王子であってもそうだ。マリエールは国に不信感を抱いている。王子も不信感を抱かれていることが判る。今のやり方はマリエールとの関係を最低限保つ苦肉の策だ。解決方法が見えて来ない。しかしマリエールは脅威だ。国内でさえ国外に出てこの国を攻撃するというのが最悪のシナリオだ。
マリエールは表面上優秀で明るい学生だ。2年生になった。しかし、人間不信は払え無い。