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朝方から降り出した雨は激しくなっていった。今年の梅雨は短く、県民の悩みの種の湖は危険水位に達していたので、恵みの雨に思う。二階の窓から見る外の様子は他人事のようだったが、遠くから届く雷の光はカメラのフラッシュに思えて気分が悪かった。
道路脇の用水路の水は濁り流れが早い。目を擦り、再度、それに焦点を合わせる。人、だった。古風な白い服。顔はわからない。轟く雷鳴で一瞬、照明が瞬きする。部屋の電球を一瞥して、窓に焦点を戻しても、その人はそこにはいなかった。「落ちたな」考えながら床につく。意識が落ちかけた刹那――。
「御神木が雷で倒れたって連絡が来たから雨が弱くなったら見てこい!」
その樹齢1000年の神木には白蛇が住んでいる。
落雷で住処を失いさぞ困っているだろう。




