誰でもできる! かっこいい技名を作るコツ! ~ゴブリンでも分かるなろう講座~
◆初めに
作者は厨二病である。
作者は厨二病である。
(大事なことなので2回言いました)
これから記載する内容は、末期厨二病患者がこれまで創作上で役立つだろう技名を考える際に使える豆知識を記したものである。
まず初めに知っておいて欲しいのは、かっこいい技名を作るのには才能とかはあまり必要ない。
そう、この講座を受ければ、
誰でも!
簡単に!
かっこいい!
技名を作れる!
のだ。
要は他の創作作品を読んでかっこいい技名と出会った時、「どうしてかっこいいと自分が感じたのか?」を考えればいい。
その原理や人の意識に基づいた考察を交えて作者オリジナルの技名の作り方、考え方をお教えしよう。
今回は漢字編。外国の言葉を使ったカタカナ編は……また気が向いたら書くかもしれない。
それでは行ってみよう!
◆ダサい技名の法則は避ける
はい、いきなり意味分かんないことを口走ります。
「超暗黒獄炎波動龍激斬!」
この技名を読者の皆様はどういう風に感じるだろうか。
「ダサい」「小学生みたい」「頭悪そう」
そんな感情を抱いたのではないだろうか。
では、その理由はなんだろうか?
「普通に長い」「言いにくそう」「ただ漢字並べただけ」
そんな理由が考えれるだろう。
まず伝えたいことは漢字の技名にはある程度『かっこいいと感じる法則性』があるということだ。
作者自身は
・文字数は2文字~5文字
・ありきたりな漢字や表現は避ける
・逆に分かりにくすぎる漢字の羅列は読者には理解してもらえない
この3つを意識して考えている。
文字数が多ければ読者は覚えてくれないし、安直な漢字だらけだと読者の印象には残らない。難解な漢字ばかりだとフリガナを付けても読者は読むのに疲れてしまう。
まずは読者の頭の片隅に残って貰えるような技名を作ることに心掛けよう。
◆かっこいいと感じる漢字を選ぶ
『閃』、『隼』、『激』。
上の漢字は作者の好きな漢字である。読者の皆様も好きな漢字は? と質問されると色々と出てくるだろう。
ここで必要なのは登場人物が使う技名のイメージを意識しつつ、漢字を埋めていくこと。もしくは技名から考え登場人物に使わせても良い。
というわけでまずは語彙力を増やすのがひとつ。
漢字選び。こればかりはどうしようもない。作者も類義語で検索をかけたり、諺や四字熟語、はたまた神話、星座、化学といった分野にも目を通して、とにかくかっこいい漢字を日々探している。
だが諦めないで欲しい。選ぶのは自身で決めることだが、ネットで検索すれば言葉自体は沢山出てくる。他の人間が持っている語彙力など簡単に手に入るのだ。
言わば使える手札は全員同じに持っている。調べれば調べるだけ、技名の可能性が広がっていくことを約束しよう。
◆意外性
上でも述べたように、読者には何処かで聞いた技名や、ありきたりな技名は心に響きにくい。
そこで提案するのが意外性。全く違う言葉同士をくっ付けることで読者に矛盾の感情を抱かせ注目を引くのだ。
作者の黒歴史ノートを漁っているとこんな技名が出てきた。
『零度の心火』
説明欄には氷の魔力を変換し、炎と似たような性質を持つ凍結現象に変える。
この青白い炎に触れた物体は一瞬にして冷却され、氷牢の中に閉じ込められてしまう。
うわぁ……痛い。なにこれやべぇ。大人になって見てみると目も当てられない。
ごほん。話を戻して、他の氷を連想させる技名と比べると覚えやすいと作者は思えるのだ。何故ならば氷属性の技名の癖に「火」という漢字が使われているから。
これが意外性、だと思う。
身近な例で例えると、カレーに納豆かけて食べる友人の真似をすると、あまりの不味さにその味をずっと思い出すだけで味わえる感覚に似ている。(過激派)
そこでイメージしている技名とは全く関連の付かない漢字を混ぜてみるのもいいだろう。この意外性は技名のオリジナリティにも繋がる。読者に「独特な技名だ!」と感じて貰えば成功と言えるだろう。
◆自分で熟語を作るor自分で読みを作る
だめだ、それでも思い付かねえよ! という方もいるのではないだろうか。
なら作者は問おう。自分で勝手に作っちゃおうぜ? と。
「いやいやいや」「そんなのありかよ」と思う人が多い。しかし、やってみると案外なんとかなるものだ。
熟語作りは簡単。単純に読み方を工夫して読みやすいように合体させればいいだけである。
音読みにしてもいいし訓読みにしてもいい。何ならそんなの無視して自由に設定しても構わない。
元から日本人はめちゃくちゃに漢字を読んでいた。梅雨、小豆、神楽、土産etc……。
特別な読み方だーと昔の人は無理くりな読ませ方をしてきたのだ。今更誰も言うまい。
作者の黒歴史ノートには『裏越足』と呼ばれる技名がある。読みは『りえつそく』
りえつ、なんて熟語は存在しないが読み方さえ分かればすんなりと頭に入ってくる。
ちなみにこの技名は所謂、瞬歩や縮地といった瞬間移動系の技名である。
説明欄には半径50メートル程度まで影の魔力を強制的に発生させ、極限まで集中力を高めて一歩を踏み出す。間、距離、物体を無視して発動するので、一瞬といった表現さえも越えて移動することができる。
痛い。痛すぎる。なんだこれ。
ともかく、漢字を組み合わせて新しい読み方を作者は自由に作っていいのだ。もっと派生すれば既存の熟語に全く違う読みを当ててもいい。
ポイントは、
・発音しやすい技名にする
だけである。
作者の黒歴史ノートに目を通しただけでも、
氷電
神隼
虚穿
といった言葉が見つかった。最早読み方すら無視しまくっているが、フリガナがあれば読者も頭に入りやすく、印象に残りやすいのではなかろうか?
それでも難しい! と思う方といるかもしれない。ならば既存する読み方を別の漢字に変えてみるのもいいだろう。
波紋→刃紋
終焉→終焔
このように一文字変えてみるだけで複数の意味を持つこととなり、更に奥深さが増すはず。
考えた技名に物足りなさを感じた時、試してみるといいかもしれないぞ。
◆禁断の裏技 語尾終わり
さて、漢字のかっこいい必殺技と言ったら何が浮かぶだろうか?
作者の新しい記憶では鬼滅の刃で我妻善逸が使った『霹靂一閃』が浮かぶ。呪術廻戦では『黒閃』。
それ以外にもBLEACHでは『一刀火葬』や『月牙天衝』。NARUTOでは『風遁螺旋手裏剣』。るろうに剣心では『天翔龍閃』などがある。
ちなみに作者はジャンプ愛好家なのでジャンプ以外の漫画はよく分からん。
話を戻そう。
……もうお気付きだろうか? 上記の全ての技名は全て最後の文字が「う」か「ん」で終わることに。
そう! かっこいい漢字の技名には何故か語尾が「う」で「ん」で締まっているのだ!
※(作者の体感によるものです)
でもちょっと待って欲しい。読者の中には「いやそれはおかしい」「別にかっこいい技名は沢山ある」といった感情を抱くはずだ。
それに対しての回答として、思い浮かべて欲しいのが四字熟語。読者の皆様もどれかは1度は聞いたことがあるだろう。
・「う」で終わる四字熟語
森羅万象
飛花落葉
天衣無縫
無影無踏
一切皆空
戒驕戒躁
無我夢中
威風堂々
国士無双
孔明臥竜
・「ん」で終わる四字熟語
雲外蒼天
一騎当千
獅子奮迅
縦横無尽
無為自然
虎視眈々
水滴石穿
万物流転
一刀両断
紫電一閃
とりあえず作者が知っている範囲で10コずつ書き出してみた。
うむ、かっこいいであろう! 特に声に出して読んでみて欲しい。そうすれば語呂の良さに気がつく筈だ。
創作における技名というのは登場人物が大声で叫ぶのが常である。やはり技名というのは叫んでこそ華。
作者は厨二病なので、かっこいいシーンにはかっこいい技名を大声で叫ぶ場面を入れてみたいと常日頃から思っている。
これは作者の考察なのだが、四字熟語自体日常ではまあまあ耳にするし、馴染み深いの素直に受け入れられる。違和感なく発音、文字起こししてもかっこいいと感じられるのではないのだろうか?
とはいえ、四字熟語の中には疾風迅雷とか乾坤一擲とか画竜点睛などなど……。別に語尾に拘らなくともかっこいい名前は沢山ある。
あくまで考え方のひとつして見て欲しい。本音は拘りなんて殴り捨ててとりあえずかっこよければそれでよし! と作者は思っている。
しかし、作者が伝えたいのは『こういう考え方』もあるんだぜ! ということ。
「このキャラの技名詰まっちゃった……」
「やべぇ、名前思い付かねぇどうしよ」
そんな悩んだ時に違った視点から技名を考えることでクソかっこいいモノが出来上がるかもしれない。
例として作者も物書きである。これまで生み出したかっこいい技名……もとい黒歴史を何個か恥辱公開してみようと思う。
・「う」で終わる技名
燐光疾傷
風哭絶衝
絶界執刀
零華絶凍葬
・「ん」で終わる技名
雷燿一閃
六花氷輪斬
おっと、これ以上書くと作者の在りし日の闇が溢れ出すので辞めておく。読者である貴方が何かの琴線に触れれば、役に立つ……かもしれない。
◆究極の裏技 詠唱追加
さて、かっこいい技名は考えた。
……でも待って欲しい。本当にそれだけでいいのだろうか?
読者は技名を見てかっこいいと感じた。
だが、それで終わりなのはあまりにも勿体ない!
読者の心に!
残るような!
最高の必殺技を!
作者は書きたいと思っている。
そこで、ひとつの案を出そうと思う。それは冒頭の通り詠唱の追加。
詠唱とはロマン。詠唱とはかっこ良さの追求。
ここぞ! というべき場面で主人公が最大の敵に対して最高の必殺技を放ってみたらどうだろうか?
最高に……イィ! と作者は思う。
技名の前に描写の中に添えるだけで良い。それだけで読者の心には他の技名とは一線を画した印象で残っていく。
例えば作者が考えた「風巻龍疾風」という技名があるとする。
(作者は)これでも良いと思う。しかし、ここに詠唱を加えてみたらどうだろうか?
『我が風は矢となり竜巻となりて塒を巻く』
『神渡しの剣閃よ、龍の雄叫びと共に敵を喰らい尽くせ!』
『複合技能――風巻龍疾風!』
……かっこよくない? え、微妙?
ともかく、単に技名を叫ぶよりも「読者の印象には残りやすい」のではないだろうか。
なろうは漫画のように絵という媒体に書いて読者に伝えることは1部の人間にしかできない。
そこで文章を扱う我々作者は、文章という表現でいかにして読者の鳥肌を震え上がらせる事が必要だと考えに至ったという訳だ。
詠唱を書くコツは簡単。
・あえて連想する言葉を難しくしてみる
・声に出して何度も発音し、引っかかった部分を修正する
・表現や類義語を徹底的に調べて言葉を入れ替えまくる
・登場人物が実際に使う場面を頭の中でアニメのように動かしてみる
・文字数は実際に発音する数で30~50文字前後が覚えやすい
・もしくは技名の前か後ろに決めゼリフを入れる
そうすれば簡単に上記のような詠唱が作成できる。まあ、上記の型にハマる必要もないが。
え、やっぱりセンスが必要? 要らねぇよそんなもの。作者の国語の点数は小学校から高校までずっと40台を彷徨っていた。履歴書に書いた自己PR文も先生に何度も書き直された。
そんな人間がこれぐらいの詠唱を書けるのでまずは騙されたと思って挑んで欲しい。
しかし、注意点として詠唱は主人公と限られた味方サイド、そして強敵だけが使えるようにしよう。その上で一人の登場人物に扱えるのは主人公が1~3個、強敵や味方サイドが1~2つまでが良いと考える。
何故ならば、詠唱を登場させ過ぎると他の技名の印象が読者から薄まってしまうから、である。
ポンポン登場人物が詠唱を用いってしまうと、読者からは『特別感』がなくなってしまう。
あくまで詠唱を使う技名には切り札の役割や、他の技名とはかけ離れた強さを持つものだということを読者に認識して貰おう。
◆まとめ
いかがだったろうか?
意外と技名の考察やら考え方といった内容は世に出ていないので、作者なりに感じたことを書いてみた。
今なろう界隈で活躍している作者、及びこれから作者となりうる読者の皆様の参考になれば作家冥利に尽きるものだ。
それでは( ・ω・)”/”




