第九話 アンデッド軍団との対話①
アンデッド軍団の代表として、ゾンビ部隊から先の対話で代表として事情説明をしてくれたゾンビ少女と数名のアンデッドたちが吾輩との話し合いのテーブルに着いた。
ここは、エ・イ・ドーリアン地下大墳墓迷宮全10階層のうちの第九階層にある会議室の様な広間である。
吾輩の左右には、煌びやかな甲冑に身を包んだ親衛隊、骨騎士と彷徨鎧部隊から集められた精鋭兵たちが並んでいる。
豪奢な造りをしたテーブルに向かい合うようにして吾輩と副官、アンデッド軍団代表たちが座っている。
アンデッド軍団代表は、ゾンビ少女マリイ、スケルトン青年ケイル、リッチーのネイ。
これに直接ストライキには参加していなかったが野次馬として吸血鬼真祖カーミラが加わり四名。
テーブルには、『対話』を重視している姿勢と吾輩からの『誠意』を表す印として、ガダモン爺さんから仕入れておいた、白虎万年堂の高級羊羹と玉露のお茶が並んでいる。
「魔王様、奮発成されたのね。」
「玉露、美味しい。」
「本当ぉ、白虎万年堂の練り物だなんてぇー、最近口にしていなかったわぁー」
「はぁ、私も副官なんてやってるけど、こんな高級な組み合わせなんて、他所の魔王様を御持て成しするときくらいよぉ?」
ケイルを除いた四人の女子たちは、キャッキャウフフと羊羹と玉露を楽しんでいる様子だ。
「コホン。ところで、そろそろ本題に入りたいと思うのだが・・・・。」
「えー、魔王様せっかちすぎですー!」
「もう少し羊羹を味わってからがイイ。」
「ガッツく男はぁ、女から嫌われちゃうわよぉー?」
「私も、もう少しだけ味わいたいです。」
ゾンビ少女マリイ、リッチーのネイ、真祖カーミラ、副官デリラの四人から集中攻撃されてしまった。
あれ?
おかしいな、吾輩魔王、魔王、魔王、魔王・・・・じゃなかったっけ?
な、泣かないもん!
目から零れてきたのはきっと、心の汗に違いない。
絶対そうだ。
目から流れ落ちた心の汗を見せない様に、そっと後ろを振り向いて、腕でゴシゴシと強く拭う吾輩。
「ねぇ、魔王様いじめたら可哀そうじゃないですか?」
「そうね、あまり虐めすぎると、スネて『この世を滅ぼしてやる!』とか、変な方向にグレるわよ?」
「そういえば、魔王様、70年前まで厨二病だったと聞いている。」
「そぉーそぉー!
『全てを灰燼に帰してやるゥゥゥゥゥ!』とかぁ
『この世の全ては、吾輩にひれ伏すが良いっ!!』とかぁ
『全ての女は吾輩のモノになれぇぇぇぇぇっ!!』とかぁー
本気で言ってたからねぇー(笑)
あの頃はぁー、とぉーっても可愛かったわよねぇー!」
止めろぉっ!!
ドサクサに紛れて、吾輩の文字通りな黒歴史をほじくり返してくれるなぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!
先に短編で書いた「エ・イ・ドーリアン地下大墳墓迷宮叙事詩第一章第十二節 『投げ込むならドリアンだけは止めよ。』」の本編です。
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ようやく、少しだけ書き溜めることができたので、公開してみることにしました。
((ノ(_ _ ノ)ドウゾヨロシクオネガイシマス
本日もう一話夜に投稿予定です。




