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魔王ゲオルグのストライキ奮闘戦線異状アリ!  作者: 所天駄
第七章 魔王対デリラ
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第七十七話 魔王対デリラ⑦プロポーズ!?


「ゲオルグ・・・。」


立ち直ったのか、デリラが顔を真っ赤に染めながら吾輩を正面から睨んでる。

やはり怖いぞ。


「う、うむ、デリラよ・・・。」

「ニブイニブイとは思っていたけど、ここまでとは・・・。」

「ふぇ?」


ニブイ?

一体何のことであるか?

心当たりが無いのである。


「ハァー。

仕方ないわね。」

「やっぱり魔王様はぁー、女心が分かんないのよねぇー」

「魔王様ですからねー」

「魔王様、ニブすぎですね。」


デリラ、カーミラ、マリイ、ネイが畳みかけるように吾輩を睨みつける。

だが、この程度ではまだまだ・・・。

孤立無援だがな!


「・・・すまぬ。

だが、分からぬからこそ、素直に尋ねてみたのだ。」

「らしいっちゃ、らしいわねー」


普段はすました敬語しか使わぬデリラが、今はザックリとタメ口である。

思わず吾輩が縋る様な目で、カーミラへ助けを求める視線を送ってしまうほどに、デリラを怒らせてしまっているようである。


「ねぇ、ゲオルグ様ぁ。」

「うん?」

「ゲオルグ様はぁ、デリラのこと嫌いぃ?」

「へ?」


思いがけない質問に、間の抜けた返事と表情をしてしまったではないか!


「コホン。き、嫌いではないぞ?」

「何故疑問形ぃ?」

「い、いきなり変な質問するからだ!」


ニマニマと吾輩の顔をしたから見上げるカーミラ。

こいつ、うぜぇ。


「それじゃー デリラ様のことお好きですか?」

「す、好きだと!?」


突然横からネイが感情のあまり籠らない声で聞いてきたから、余計きょどってしまった。


「そこ一番大事ですから。」

「そ、そうなのか!?」


「ネイの言う通りだと私も思います。」


マリイまでもが、横から畳みかけてくるとは、吾輩孤立無援!


「そ、その質問と、今現在進行中のストライキと、一体どんな繋がりがあるというのであるか!?」

「「「あー(察し)」」」

「フゥー(溜息)」


妙に声を揃えた「あー」はカーミラ、ネイ、マリイが発した声。

デリラは盛大な溜息であった。


我輩一人が頭を抱えた状況だ。

なんか、一周回って振出しに戻った感じがするな。


「もう諦めた方がいいのかしら・・・。」


アンニュイな表情でデリアが横を向いてしまった。

どうしよう・・・。


「ゲオルグ様。デリラが望んでいるのは、貴方との結婚よぉ?」

「ほへ!?」


カーミラが突拍子も無い事を突然告げてきた。

え?


マジで意味が分からんぞ。

デリラなんて、全身真っ赤に染めて、怒りに肩を震わせているではないか。


「・・・。

そ、そうですよ・・・。

私・・・

私が・・・・。」


デリラの口から、途切れ途切れに、言葉が聞こえるのだが、よく聞き取れない。

とにかく、謝ってしまえ!


「すまんで。デリラよ。お前が全身真っ赤になって怒るほど、吾輩との結婚なんて、突拍子も無いことをカーミラが言うだなんて思っていなくてだな・・・。その・・・。」


必死で頭を下げながら、謝罪する吾輩から、デリラの表情は見えない。


「お前が嫌じゃなかったら・・・、その・・・、なんというか・・・、あの・・・。

わ、吾輩の妻にだな・・・。」

「ぇ・・・?」


きっとデリラのことだから、断るに違いない。

そう思って、必死に頭を下げながら、言ってみた。


「・・・はい。」

「へ?」


今、はいって?


「「「おめでとうございまーーーーすぅ!!」」」

「しっかり聞いちゃったわぁ」

「魔王様。プロポーズ乙。」

「私たちが証人ですからね。

今更、取り消しは無しですからね。」


カーミラ、ネイ、マリイら三人が盛大にクラッカー付きで祝福の言葉を?


アレ?


どうしてこうなった?


え?


・・・。




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