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魔王ゲオルグのストライキ奮闘戦線異状アリ!  作者: 所天駄
第五章 魔王対勇者
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第五十九話 魔王対絶対勇者⑧デリラ復活!


「吾輩の覇業には、行く手を阻む者が多すぎるのであるな・・・。」

「誰も、魔王に支配されたがる人間は居ないと思うぞ。」

「そうねぇ、魔王さんが良い人なのは分かったけど、それとこれは、話しが違うわねー」

「すみません、魔王様。

でも、お二人が言うことは正しいと私は思います。」


吾輩の溜息と共に吐いた呟きに、ダンサツ・ダンメツが答え、クリスが止めを刺してくれた。

心が折れそうになるわ!


「う・・・ん・・・・?」


先程、最初の攻撃で気を失っていたデリラが目を覚ました。

これで、一人でも吾輩の味方が増えてくれるなら!


「デリラよ。

大丈夫であるか?」

「魔王様っ!?

ご無事でしたか!!

あの二人はっ!?」


スクっと立ち上がり、吾輩に抱き着いて来るデリラ。

待て待て、誤解されるじゃないか、吾輩とお前は、上司と部下。

魔王とその副官だ。


余程嬉しかったのか、周りが見えていないようであるな。


「コホン。

その二人であれば、それ、そこに居るのである。」

「っ!?」


驚きと恐怖と警戒。

そんな、色んな感情が一度にごちゃ混ぜになったような表情で、デリラが吾輩の影に隠れようとする。


「大丈夫だ。もう攻撃はしない。」

「本当よ。さっきはごめんなさいね。

一応謝っておくわ。」

「!?」


分かるぞ。

お前の気持ちは、吾輩だってよーく分かるつもりである。

だから、デリラよ。

そんな、鳩が豆鉄砲食らったような顔は止めよ。


と思ったら、以心伝心か?


吾輩の気持ちが通じたのか、すぐに平静を保つような表情へと、顔の表情筋を総動員して、なんとか笑顔を浮かべようとしていた。


ちょっと、右頬の辺りがプルってて、可笑しかったが、今指摘するのは不謹慎であろう。

とりあえず、デリラにも先程までのやり取りを説明した。


「魔王様。それであれば、既に私が答えを考え付いておりますわ。

後程、詳しく報告書に意見をまとめて、提出しますから、確認してくださいませ。」


なんと、デリラは今回の騒動以前から、ダンサツ・ダンメツ対策を考えていたとでも言うのであろうか。少し期待して意見具申を待つことにしよう。


「それでは、騒がせたが、俺たちは出ることにしよう。」

「今度は、戦闘じゃなく、遊びに来るわ!」


そう告げると、ダンサツ・ダンメツの二人は、颯爽と吾輩のダンジョンから去って行ってしまった。本当に暴風が過ぎ去ったような爪痕を残して。


だが、負傷者は数えきれないほど居たにも関わらず、死んだ者は本当に居なかった。

真の強者とは、ここまで実力に差があり、恐ろしい存在であったのだな。

そう言えば、あの二人、去り際になにやら呟いておったな。


「ゴールディたちには、あれ程周囲に迷惑を掛けるなと、何度も注意したのだが・・・。」

「帰ったら、説教部屋ねぇ。」


ダンサツが運転する魔道具サイドカー付きバイクで、疾風のように去って行く間際に聞こえた一言であった。



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