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魔王ゲオルグのストライキ奮闘戦線異状アリ!  作者: 所天駄
第一章 魔王対不死軍団
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第五話 アンデッド軍団の離反④


「デリラよ。第四階層に居るダークエルフ闇神官どもを集めよ。

直ちに、火炎魔法による焼却殲滅にて、吾輩に逆らう八部衆が一角、ゾンビ部隊を殲滅させるのだ!

なに、不滅の彼らのことだ、業火で焼かれようとも、復活したところを説得するか、補充分として呪いで殺した侵入者どもを加えれば、しばらくの時間稼ぎくらいにはなるであろう。クァッハハハハ。」

「・・・・恐れながら、魔王様・・・・。」

「ン? なんだ?」


常ならば、即座に実行に移せるハズである重大な場面にて、何故か首肯しようとしないデリラに不信感を抱きながら吾輩が誰何すると。


「現在、我らが居城を兼ねております、このエ・イ・ドーリアン地下大墳墓迷宮でございますが、そのぅ・・・・。

各地でストライキが実施されておりましてですね?」

「ま、まさか・・・・。」

「ハイ。その『ま・さ・か』でございます。」


デリラの説明によると、ダークエルフを中心とする闇神官たちまでもがストライキ中だと言うから、頭が痛い!


「分かった。もうよい。

吾輩が直接手を下すしかあるまい。」

「恐れながら、魔王様・・・・。」

「まだなにかあるのか!?」

「エ・イ・ドーリアン地下大墳墓迷宮ほとんどの階層がストライキ中なれば、今回の第三階層のアンデッド軍団が、対話直後に魔王様直々に手打ちになされたと知れ渡れば・・・・。

そのぅ・・・・。」

「なんだというのだ!?

吾輩直々に手を下してはマズいのか!?

むしろ、吾輩の強さと魔力に敬服するのではないか!?」

「いえ、今回に限りましては、そのぅ・・・・。

逆効果かと。」

「ハぁイぃ?」


思考がついて行けなさ過ぎて、間抜けな返事をしてしまった。


「ど、ど、ど、どーゆーことかなぁ?

デリラ君?」

「はぁ。恐れながら、これまでは魔王様の覇業を成し遂げるべく、我ら一同、忠義を捧げ、邁進してまいりました! 邁進してまいりました!」


あ。大事なことなので、二度言うってヤツか?

コレ。


「しかしながら、これまで永遠とも思えるほどの長きに渡る我々魔族と人族との戦いの歴史に、疲れを覚えている魔物たちもまた、増えてきているのでございますよ?

魔王様。」

「はぁ?」


デリラの奴め、興が乗ってきたのか、口から唾を飛ばしながらマシンガントークしてきやがって。

日頃の知的メガネ美人秘書キャラは本性を隠すためのエセキャラか?

まあ、確かに幼いころはもっとこう、活発な、いや、女性に使うにはふさわしくないかもしれないが、一言でいえば、ヤンチャな・・・・。

あ、これはむしろ、お転婆な?

子だったっけ。


いつ頃からだろうか、気が付けばやたらと吾輩を魔王として立ててくれて、全面的にサポートしてくれる存在になっていたんで、コレ幸いと副官に任命したんだったっけ。


とりあえず、今は続きを聞かなければ。


「そのタイミングでの今回のストライキでございます。

ここで、一度魔王様が対話なさると言う素晴らしい神対応をなさいました。

常ならば、『くだらん。』の一言の下、一刀両断で灰燼に帰すところをでございます。

今回は、『始めに対話ありき』でございます!


他のストライキ中の魔物たちもまた魔王様との対話が可能ならばと期待に胸を躍らせているのでございます!!」


ヤバイ。


初手を間違えてしまったのか。

あー、面倒くさいからやり直しできるものなら、ついぞ1時間ほど前の対話する直前まで時間を巻き戻したい。


アレ?


闇魔法の秘法や秘術かなんかに、『刻戻しの法』って無かったっけ?

アレを使わせてもらえれば、って闇神官どももストライキ中だったぁーーーーっ!!


あーもうメンドクサイ。


「であれば、ですよ!

魔王様。ここはもう、腹を決めて、『対話路線』コレで行くしかありません!

てゆーか、ココで突然暴力による解決へ舵を切ってしまえば、これまで魔王様のお人柄に心酔しておりました、私をはじめ、魔族たちが一斉に本格的な反旗を翻しても不思議ではありません!!


って、聞いていますか!?

魔王様!!」

「ハ、ハイっ!!」


魔王なのになぜか副官から怒られてしまった。

考え事しながら聞いたせいか、今サラっとヤバメな発言してなかったっけ?

アレ?

マズイ。ちょっと聞き逃してしまったかもしれん。

凹むわぁ。


気を取り直して、副官のデリラが説明してくれたことを三つにまとめるとこんな感じになる。

①ダンジョン内で不満が爆発している。

②これまでは、力と恐怖で押さえつけられてきたが、一度対話路線が開かれたので、全員がそちらに期待している。

③もしも、ここで対話を止めて、これまでの方法に戻すと、離反組が増える恐れがある。


こうして、必然的に対話しながら、ダンジョン内の不平不満を解決して行かなければならなくなってしまった。


あー超メンドクセー。


先に短編で書いた「エ・イ・ドーリアン地下大墳墓迷宮叙事詩第一章第十二節 『投げ込むならドリアンだけは止めよ。』」の本編です。


https://ncode.syosetu.com/n5851fq/


ようやく、少しだけ書き溜めることができたので、公開してみることにしました。

((ノ(_ _ ノ)ドウゾヨロシクオネガイシマス


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