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魔王ゲオルグのストライキ奮闘戦線異状アリ!  作者: 所天駄
第四章 魔王対真祖カーミラ
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第四十一話 カーミラと吸血鬼部隊②


違う。


解決したのは、アンデッド軍団の中でも、ゾンビ部隊とスケルトン部隊までか。

吸血鬼どもは、ゾンビやスケルトンたちとは別の部隊。


アンデッド軍団とは、本来第三階層に所属する不死軍団。

つまり、吸血鬼部隊の願いは、保留または、未処理のままだったのだ。

盲点だった。


吸血鬼の真祖であるカーミラがあまりにも気軽に遊びに来るものだから、半分解決済みな気になっていた。おそらくは、今回のカーミラの願いとやらも、その辺りでは無いだろうか。


「それで、お前たちの願いとは?」

「フフ。流石は魔王様ねぇ。

私個人の願いでは無くぅ~、一族の願いだと見抜くだなんてぇ~」


お、正解だったのか。

ちょっとだけ、嬉しいかもしれない。


「そうだろうと思ったのだ。」

「そっかぁ♡クスクス。」


何故笑うし。

この辺が掴めないヤツって感じだよな。


「まぁいいわぁ~

私たち吸血鬼一族の願いはねぇ~

『他の者たちばかり、願いを聞いて貰ってズルイ!』

よぉ。」

「はぁぁぁぁぁぁっ!?」


子どもかっ!!

ってゆーか、具体的な願いなんて無いのかよっ!?

じゃぁ一体何だって言うんだよ。


「フフ。それじゃぁ魔王様も困るわよねぇ~?」


当たり前だっ、と!!

でも、声に出しては言えないな。

喉元迄出かかって、飲み込んだ吾輩を褒め称えてくれても構わんよ。

ふぅ。


落ち着けぇー落ち着けぇぇぇぇ、俺。

クールだ。クール。

よし。


「そうだな。具体的な願いが無いなら、それでも構わんが?」

「ウフフ。それじゃぁ芸が無いじゃなーい?」


俺としては、無くて構わないんだが・・・・。


「何か願いがあるのか?」

「簡単だわぁ。

私たちもぉー、日光浴とかぁ、太陽の下で動いてみたいのよぉ。」

「ハァァ!?」


本日最大の大声を上げてしまった。

一寸待て。

吸血鬼だぞ。

ゾンビならば、太陽の下だろうが、全天候動けると思う。

砂漠でも走ってたしな。


だがしかし、吸血鬼だぞ?

お前ら、太陽の下って・・・・。

消し炭じゃないのか?


「あー、念のため確認しておきたいのだが、その・・・・。

 大丈夫なのか?」

「構わないわぁ~

本人たちからの強い要望だものぉ~

それにねぇ、私たち吸血鬼にとってぇ、太陽の日差しの下に出られるのってぇ、憧れなのよぉ~」

「そうか。」


一時間後、実証実験を行うこととなった。

何せ、吸血鬼である。

今第一階層に出入りしている客の、しかも、人間の目の前で、人が灰塵と化す光景だなんて、シャレにもならん。


そこで、人目につかない様に、地下大墳墓迷宮の普段人間が出入りしている反対側で、実証実験を行うこととした。



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