第二十六話 ゴーレム部隊の離反③不思議な夢
夢を見た。
何年前であったか、ある日どうしたことか、小さな子供が森で両親と逸れたのか、地下大墳墓迷宮内へと迷い込んで来たのだ。
未だ、言葉も動作もおぼつかず、ヨチヨチと奥へ奥へと歩く姿は、敵対する種族とは言え、周囲の気を揉んだ。
だがしかし、小さいとは言え、人間は人間だ。
いずれ、どの魔物の牙に掛かって命を落とすだろうと思っていたが、意外な伏兵が現れた。
ゴーレムだ。
無機質で、物言わぬ巨大な姿に、最初は怯んだ幼子が、やがて、その腕に抱かれ、迷宮の外へと連れ出されたのだった。
その光景に、吾輩もほんの一時だけ、いといけな命を奪わずに済んだことに、胸を撫でおろしてしまったことを思い出した。
もしかしたら、やがて成長したあの者が、我らに綽名す存在へと育ち、いつの日にか、恩知らずにも刃を向けてくるかもしれぬというのに。
この夢に一体なんの意味があるというのだろうか・・・・・。
しばし、夢の風景を思い直し、瞑想した。
先に書いた短編
「エ・イ・ドーリアン地下大墳墓迷宮叙事詩第一章第十二節 『投げ込むならドリアンだけは止めよ。』」
の本編になります。
https://ncode.syosetu.com/n5851fq/
少しだけ書き溜めることができたので、公開してみました。
((ノ(_ _ ノ)ドウゾヨロシクオネガイシマス




