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第一六話 切り札

 今にも途切れそうな意識の中、オルカが来てくれた。それだけは分かった。

 化け物クマは、その目に突き刺さった矢に四苦八苦しているらしい。はは、ざまぁみろ。どう考えても不器用に違いないその手じゃ、矢を抜きたくても抜けないんだろう。バカめ。

 おかげで切り札を切るための条件はクリアされた。

 私は早速、【キャラクター操作】の使用申請をオルカへ送った。

 彼女は今、私を抱きとめてくれている。許諾を貰えさえすれば、すぐにでもスキルの発動が成り、この窮地だってきっと脱することが出来るはず。


「…………ダメ」

「……? オルカ……早く、許諾を……」

「ダメだよ、ミコト。反動に体がもたない……ミコトが死んじゃう」

「あはは……心配性、だなぁ、オルカは……」


 チカチカする視界でオルカの顔を捉える。すると、目をはらしてボロボロと涙を溢れさせていた。

 目の前には恐ろしい化け物がいるっていうのに、子供のように泣いているオルカ。戦闘となると何時だって凛々しかった彼女は、一体何処へ行ってしまったのか。


「泣かないで……私なら、平気だから……それ、に……スキル使わないと、この状況……」

「私がなんとかする。私がミコトを守るから……!」

「なんとか、出来るの……? あいつ多分、特異種……だよね……?」

「…………」


 やっぱりそうだったか。オルカの沈黙は決定的な肯定の表れだ。

 道理で破茶滅茶だと思った。だったらきっと、オルカ一人で太刀打ちできる相手じゃない。

 私は震える右手でオルカの涙を拭う。ああ、しまったな、血のついた指で綺麗な顔を汚してしまった。涙も全然止まないし。


「オルカ。私のこと、信じてくれない、の……?」

「っ……でも!」

「大丈夫……オルカと一緒なら、なんとかなる、よ。だって……私はオルカを、信じてる……から」

「…………っ‼」


 はっきりと言ってしまうのなら、疑ったことが全く無いのかと言えば、残念ながらそんなことはなくて。

 転生初日にあんな事があり、そこに都合よく駆けつけてくれて、その後も甲斐甲斐しく世話を焼いてくれたオルカ。

 そんな人が、ただの善意だけでここまでしてくれるだなんて、流石の私だって思いはしない。怪しいと疑いもする。


 でもさ。どの道オルカがいなかったら私は詰んでたんだ。

 たとえ完全な善意じゃなかったとしても、オルカに大きな恩を感じているのは確かだし、何よりオルカと一緒に居るのは心地が良かった。

 こう見えて、私だって一応か弱い女子ってやつなんだよ。それがいきなり死んじゃって、転生して、知り合いなんているはずもない異世界にたった一人放り出されて。正直、心細いったら無い。寄る辺が欲しかったんだ。


 オルカは私にとって、まさしく寄る辺だ。知識も常識も力も、何もなかった私を支えてくれた人。

 仮にオルカが何らかの目的で私を利用しようとしているのだとしても、私もまたオルカを頼りにしている。安心を貰っている。

 だからもういっそのこと、オルカにだったらたとえ騙されたって、許せるって思った。


 そうは思ってみても、何よりとにかく私には、オルカが他人を悪意を持って騙す姿なんて想像がつかない。

 だからきっと、オルカは私を裏切らない。

 オルカが何を思って私の傍に居てくれてるのかは、正直聞いてみないと分からないことだけれど。でも、そこに何か理由があるのなら、私は寧ろ頑張ってそれに応えたいって思う。

 頼りっぱなしじゃなく、もしオルカが私に頼ってくれるのなら、助け合える関係になれる。もしもそうなれば、こんなに嬉しいことはないだろう。

 そしてまさに今こそが、きっとその機会だ。


 今の状況はきっとオルカにとっても窮地。

 こんなヤバい奴の前に、碌な作戦もなく飛び出してくるなんて。だから過保護だっていうんだ。

 でも、そんな彼女だからこそ私は信じられる。


 オルカが協力してくれるのなら、きっとこの窮地だって覆せるはずだ。

 だから出来れば、オルカも私を信じて欲しい。確かに私は色々しょぼいかも知れない。貰ってばっかりで、何も返せていないと思う。

 信じろだなんて言ったところで、説得力はないだろう。だけどさ……。


「信じてる人に、信じてもらえない、のは……辛いな……」

「……その言い方は、ズルいよ」


 オルカは私の体を気遣ってくれる。実際私自身、【キャラクター操作】の解除時にのしかかる強烈な消耗を、受け止め切るだけの自信はない。

 だとしても、こんな状態の私じゃお荷物に他ならない。ただでさえオルカでも勝ち目のない相手に、私っていうハンデを背負わせるわけには行かないだろう。

 それに、多分私は放っておくだけで出血多量とかで死んじゃうと思うし。つまりはどの道ってやつだ。

 どの道私は風前の灯みたいなもの。スキルを使おうと使うまいと危険な状態に変わりはないのだから、合理的に考えても最適解は明らかだろう。


「……分かった。でも、約束して欲しい。死なないって……! 私を置いていかないって!」

「……いいよ。約束、する」

「絶対、だからね」


 オルカの細い腕が、ぎゅうっと私を抱きしめる。

 自分の血の匂いに混じって、仄かにオルカの匂いがした。

 柔らかくて、暖かくて。ああヤバい、気を抜くとこのまま本当に昇天しそうだ。死なないって約束した直後にそれはシャレにならないぞ。

 私の苦悩を他所に、オルカは私を抱きしめたまま耳元で囁くように言った。


「お願いミコト。私を、使って」

「……うん、任せて」


 そうして私の体は、光の粒子状に解けた。


 この感覚は検証の際に数度体験しているけれど、一向に慣れる気がしない。

 一瞬、体のありとあらゆる感覚が消えるんだ。あるのはただ、思考している自我だけ。手足の感覚どころか五感すらなく、正しく体を失うって感覚を経験することになる。

 とは言えそれも一瞬の出来事。この時私自身は自らに何が起こっているのか、客観的に確認することは出来ない。ので、オルカから聞いた話にはなるのだが。

 私の体は光の粒へ分解され、そしてオルカの中へ吸い込まれるのだと言う。


【キャラクター操作】というスキルは、文字通りキャラクターを操作するスキルだ。

 ではキャラクターとは何か。それは、私が操作申請を送り、それを受諾してくれたPTメンバーに他ならない。

 つまり私は仲間の体を操作し、自分の体として戦う、ということが出来るわけだ。

 そしてこの際の懸念事項である、その間、私の本体はどうなってるの? 某フィリップさんみたいに意識が飛ぶの? という疑問に対し、その答えこそが今生じた現象である。

 即ち、私はキャラクターに融合することでそれを操作することが出来るらしい。


 一瞬の暗転。光も音も匂いも感じられず、体中の感触が消滅した虚無をくぐり抜け、ようやっと開けた私の視界。それは同時に、オルカの視界でもあった。

 コネクト完了。感覚良好。


「……っはぁぁぁ……痛くない。健康な体ってそれだけで幸せなことなんだなぁ」

(ミコト、時間がない。急いで片を付けよう)

「おっと、そうだったね」


 頭の中に、或いは心の中にオルカの存在を感じる。そのオルカが私を促す。

 つい数瞬前まで感じていた恐ろしいほどの痛みと苦しみから解放され、うっかり気を抜いてしまうところだった。

 私達の前には依然として三メートルを軽々と超えるような巨体が聳え立っているのだ。油断の許される状況ではなかった。

 現に目に刺さった矢に煩わされていたクマは焦れに焦れた末、あろうことか乱雑に目玉ごと抉り出し、その傷をあっという間に再生してみせたのだ。


【キャラクター操作】のタイムリミットは一〇分間。しかも時間が経過すればするだけ、スキル解除時に訪れる反動も大きくなる。時間切れまで引き延ばそうものなら、多分私はスキル解除と同時に……。

 だから、一秒でも早く仕留めるなり逃げ切るなりする必要があるってわけだ。

 私は気を引き締め、殺気を漲らせているクマへ向き直った。


(気をつけてミコト。コイツはブルーベアの特異種で、ドレッドノートって呼ばれてる強敵。攻撃力、防御力、耐久力、俊敏性、そして再生能力。その全てを併せ持った化け物)

「うわぁ……そんなのがなんでこんな場所に……」

(イレギュラーの発生は、完全に事故。災害扱いされるようなものだから)

「単なる不運ってこと!?」

(来る!)

「おっと」


 振り下ろされた豪腕。轟くような風切り音を伴い、さながら落雷のごとく迫ってきたそれを。

 しかし私は、蹴りの一撃で弾いてみせる。打撃の衝突とは思えない激突音の後、仰け反ったのはクマことドレッドノートの方だった。


「やっぱり草原のモンスターとは手応えが違うね。けどオルカの【体術】はコイツにも十分有効そうだ」

(危ないから避けれるなら避けよ……?)

「あはは、ごめん。そうする」


 ドレッドノートの振るう破壊力は、さしものオルカとて正面からぶつかれるようなものではない。寧ろ、オルカは火力不足をコンプレックスにすら感じているらしく。通常であればこのような真似ができようはずもないだろう。

 けれど今のオルカならそれが出来る。何故なら、私が融合しているからだ。

 というか、この状態でも私の持っているスキルは有効に働いているから、と言うべきだろうか。

 即ち、【完全装着】も【万能マスタリー】も問題なく働いてくれているわけだ。


 私の素のステータスというのはとても低い。初対面のソフィアさんにゴミと呼ばれるほどには酷い数値だった。

 それが、たかだか初心者でも手に入るような装備を揃えただけで、あろうことか一端の冒険者を名乗れるほどにステータス値を引き上げてくれる。

【完全装着】とはそういうスキルだ。

 それをもし、素のステータスが十分に高いオルカに適用したらどうなるか?

 当然、忽ちインスタント超戦士の出来上がりってわけだ。しかもそれだけじゃない。

【キャラクター操作】の効果で、私のステータスの半分をオルカに上乗せすることが出来る。素のステータスじゃなく、装備で引き上げたステータスを、だ。多分【完全装着】とのシナジーが為せる業なのだろう。

 私の装備は、私の体の一部としてオルカの中に吸収された。だから装備込みのステータス値が参照される、と。

 その結果、現在のオルカのステータスは、人間の限界を超越したものと表せるほどの数値を叩き出しているわけだ。

 膂力一つ取ってみても、ドレッドノートにさえ後れを取ることはない。それを今、証明してみせた。


「私も命が惜しいからね。一気に決めよう」

(賛成)

「行くよ、アーツスキル!」


 腰に携えた二本のダガーを抜き放ち、構える。

 それは【短剣マスタリー】と戦闘経験により習得できるという、短剣専用の技が一つ。


 火力にも打たれ強さにも自信のないオルカ。けれど彼女には大きな武器がある。

 それは俊敏性と器用さだ。当人は自身を『器用貧乏』だとして嘆いているけれど、私にしてみればとんでもない話だ。

 火力がないのなら、それを持ってるやつに任せてしまえばいい。それより重要なのは、火力を確実にぶつけることが出来るようお膳立てを調えられるか否か。

 オルカにはその力がある。そして何より、【キャラクター操作】を受けている今ならば、問題視している火力だって申し分ない。

 だから、通常ならば命中率は高くとも決め手に欠ける小技であっても、今ならば一気に化かすことが出来る。


 ドレッドノートへ向けて踏み込む。体が羽のように軽い。ともすれば余りのピーキーさに振り回されそうだが、しかし検証の時に慣らしてあるから問題はない。

 原理はさながらハサミのように。構えた二本のダガーを交差させ、高速ですり抜ける。

 接触の瞬間、交差させた刃を滑らせ、振り抜いた。


「まずはお返し」


 ドレッドノートの左腕が、あっけないほど容易く本体から分かたれ、宙を舞っていた。

 ツインダガーと高いアジリティ、そして高度な隠密性が実らせた、オルカの持つアーツスキル【ファントムシザー】。

 スキル発動に伴い、身体には強力な気配遮断効果と俊敏性の上昇、そして切断力への強力な補正が生じる、殺意の高い技だ。

 相手は半ば強制的にオルカの姿を見失い、気づけば体の一部を切断されているという恐ろしい一撃である。

 

 事実、ドレッドノートの視線は泳ぎ、こちらの姿を見失っている。が、一拍遅れて腕を切断されたことに気づき、更に一拍の後激痛に叫びを上げる。

 だが勿論それだけの隙を晒しているのだから、私が手を休める道理もない。

 同じ技を連続で繰り出すというのはいかにも芸がない、とは思うものの、いい気になって手札を見せびらかす愚は犯せない。

 私は間髪入れずにファントムシザーを二度三度と繰り出し続けた。


 反対の腕が飛び、足が飛び、当然のように立っていられなくなって崩れ落ちるドレッドノートの、その首をも裁ち落とした。

 バラバラ殺害事件だ。動物愛護団体には絶対見せられない。


(やった……!)

「あ、こら。それはフラグっていうんだよ」

(えっ)


 ドレッドノートは為すすべもなく崩れ落ちる。だが、塵になって砕ける様子はなく、当然ドロップアイテムを落としもしない。

 つまりはこれだけの大ダメージを受けて尚死んでおらず、それどころか凄まじい速度で再生を始めているではないか。

 吹き出した血はあっという間に止まり、欠損部位からは骨が、筋が、筋繊維がどんどん伸びていく。現実離れした光景だ。


「まじか、なんてやつ……!」

(でも隙だらけ。ミコト、コアを探そう)

「コア?」

(モンスター共通の弱点。体の何処かに存在している力の源。倒した時に、このコアが魔石に変化してドロップするって言われてる)

「ってことは、それを壊すと魔石がドロップしなくなる?」

(うん。でもその代わり、ドロップアイテムのグレードが上がるって言われてる)

「なるほど!」


 確かに狩りをしていて、普段とは異なるちょっと良いドロップアイテムを拾うことがあった。思い返してみるとその時は決まって魔石が落ちなかったし、レアドロップかなんかだって簡単に考えてたんだけど、まさかそういう仕組があったとは。

 それに現状、一秒でも早く決着を付けたいのだから、積極的にコアとやらを狙うべきだろう。


「で、そのコアって何処にあるの?」

(【弱点看破】のスキルを使ってみて。今なら多分見える)

「そ、そんなことまで出来るんだね、オルカ……」


 それってもう、火力不足に悩む必要なくないか……?

 ともかく、指示された通りスキル発動を念じながら、今も凄まじい速度で再生を続けるドレッドノートを観察した。

 すると体の奥深くに、赤黒く輝く何かを捉えることが出来た。なるほどあれだな。

 しかしコアの位置は臍の辺りで、いかにも守りが硬そうだ。分厚い脂肪と筋肉に守られ、体格的にも切断は難しいように思われた。


「んー……弓で射るか」

(さ、流石に、私の弓にそこまでの貫通力は無いと思うけど……)

「大丈夫、今は『私たち』の弓だからね」

(ミコト……! うん、そうだね。いける気がしてきた)

「オルカのそういうチョロいとこ、ちょっと心配になるんだけど」


 私は早速ダガーを鞘に戻すと、代わりにオルカ愛用の折りたたみ式の弓を取り出した。

 さて、矢をつがえてこのまま撃ってもいいんだけど、オルカの言う通り威力不足が懸念される。

 ならば工夫で補うまでだ。


「よし、いくぞー」

(? なにかする気?)

「まぁ見てて」


 せっかく超人になったんだ、それを十二分に活かしてやろうじゃないか。

 私は軽く助走をつけてドレッドノートへ近づくと、跳躍から思い切り踵落としを奴の腹へ叩き込んだ。

 あまりの衝撃でサッカーボールよろしく、軽く宙に浮かび上がったその巨体を、次はアッパーの要領で下から殴りつけ、更に高く浮かび上げる。

 木々の背ほども跳び上がったドレッドノートは、当然ながら重力に引かれて落下してくる。そこを、渾身の力で再度蹴り上げた。

 爆発音と言われても納得するような、物騒な打撃音とともに先程よりも高く打ち上がったドレッドノートの巨体。手応えからして、奴の体内はえらいことになってそうだが、それでもまだ消えないようだ。タフが過ぎるぞ。


 ドレッドノートを蹴り上げてすぐに、私は思い切り大地を蹴って跳躍した。跳び上がっているドレッドノートを空中で更に踏みつけ、疑似空中ジャンプを成功させる。

 ドレッドノートは踏みつけられたために、凄まじい勢いで地面に叩きつけられ、皮が破裂してグロいことになっていた。それを尻目に私はどんどん上昇する。

 流石に雲に届くほど、なんてことはないけれど、高層ビルの背丈くらいには跳び上がっただろうか。


(ひっ、た、高いよミコト!)

「高いところは苦手?」

(そんなことは、無いけど……)

「よかった、それじゃぁここから仕上げだよ」


 矢を一本取り出し、弓につがえて引き絞る。狙いは直下、ドレッドノートのコアだ。

 私の体は最高到達点に至り、一瞬の静止を挟んで落下を始めた。あああ、股間がヒュンってするぅ。

 私は落下エネルギーが十分に乗るのを待った。更にアーツスキルも準備しておく。


【弓マスタリー】と、【遠視】のスキルが生み出した狙撃系アーツスキル。【サイレント・ロア】

 高い命中補正と、貫通力上昇、飛距離上昇、静音効果、そして矢に強力な螺旋状の回転を与え、鮮烈な一射を完成させるという、これまた殺意の高い技だ。

 ステータス的に火力不足を嘆くオルカだけど、覚えてるアーツスキルのえげつなさよ……。

 確かに通常状態であれば、なんてことはない狙撃技だけどさ。いや、それでもえげつないが。

 この技を、今の超人状態を駆使して最大威力で叩き込んでやる。


 十分に落下の勢いがついたタイミングを見計らい、私は空中姿勢を整える。そこはマスタリースキルの恩恵か、はたまたオルカの体が覚えているのか、上手く姿勢を調整してくれた。お膳立てはバッチリ。ドレッドノートはもはや動かない的と化している。

 私は弦が切れないよう注意しながらギチギチと弓を引き、そして放った。


 発射の反動で、私の落下軌道は少しズレた。これを利用し、更に身を翻してドレッドノートから距離を取るよう着地地点を調整。

 ズドンッ! という凄まじい音とともに、しかし無傷での着地に成功。

 あの高さから落下したのに、痛くも痒くもないとか。それ何処のハンター……。


 ともあれ、私は顔を上げてドレッドノートを確認する。

【サイレント・ロア】は隠密狙撃に特化した技であるため、音を殺す性質がある。

 だから、結果がどうなったかは見て確認しないと分からないわけだが。


「ふぅ、なんとか成功したみたいだね」

(……信じられない……私達が、特異種を……)


 そこには、しぶとかったドレッドノートがついに黒い塵へと変わり、消えていく様子があった。

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― 新着の感想 ―
[良い点] おおおぉ!まさかの合体!ロマンです、カッコ良いです〜
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