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29.敵か味方か?!

「ねぇ、まだ相葉さんの事落とせないの? 廉、任せとけって言ったじゃない」

 羅々はノートにずっとグルグルと丸を書きながら不満そうに俺を見た。

 ま、連休明けから高倉と相葉さんがやけに一緒にいる所を見るもんな。

 こうなるのも当たり前か。


「……最初は余裕だって思ったんだけどな。意外とカタくって難航してるよ」

 もし相葉さんが俺と付き合いたいって言い出したら……

 最近はそれはそれでいいかともと思えてる自分がいる。


「そんなんじゃいつまで経っても私とデートなんて出来ないわよ? 好きなんでしょう? 私の事」

 相変わらず自信満々だな。

 顔は断トツ可愛い。

 声も可愛い。

 でも残念ながら性格はなかなか最悪だ。

『相葉さんと高倉を完全に引き離せたらデートしてあげる、廉ならできるでしょ?』そんな言葉に挑発されてまんまと乗せられたがもうやめたい。


 羅々に対しての興味が、もう消えつつある。

 今この子の近くにいる理由は自分のプライドを守るためだけだ。


 どんな()でも落とせる自信があった俺は、難攻不落とも言われる羅々を振り向かせたら、もう手に入れられない女の子なんて居ないって思ってたが……

 彼女にはそこまでして手に入れる価値んなんてそもそも無いんじゃないか?と気づいてしまった。


 とは言え、好き嫌いは別にしてもどうしても納得いかない。


 なんで二人とも目を向けてるのは高倉陽一?

 冷静になればなるほど苛立ちが湧き上がってくる。

 アイツの何がいいんだ、一体。


 羅々と俺は中学も同じで、昔から男子生徒の人気者だ。

 いつも隣に引き連れているのは年上の大学生とか、学年で一番のイケメンだとか、アイツの彼氏になれた奴はイイ男の太鼓判を押されたようなものだった。

 元々彼女に出来たら友達からの羨望の眼差しは必至だ、そう下心満載で近づき始めたんだからまともな恋愛感情なんてそもそも最初から存在しなかった。


 相葉さんに関しては……中学の時に敗れた初恋以来、久々に女の子の中身に興味が湧いている。

 ここまで何度も女の子に誘いを断られたのは初めてだし、彼女にはまだまだ俺が見つけられていない魅力がたくさん隠されていそうで不思議と気がつけば彼女に目が行ってしまう。

 それが『好き』なのかどうかはまだ分からないが……


「お願いしてた高倉くんの住所は分かったの?」

 あきらかにイライラしながらシャープペンをカチカチと鳴らしジロリと睨まれた。

 俺はポケットからメモを取り出し彼女の机に置いた。


「なぁ、俺もうやめるわ。デートとかもういい」

 こんなに睨まれる覚えはない。

 住所だって高倉の中学校の卒業生と繋がってる友達探し出して聞き出すのどんだけ大変だったと思ってるんだ?

 お前と俺は残念ながら縁がなかったんだ。


「ちょっと、途中で投げ出す気? 私とデートしたいんでしょ?」

 語気を荒げて立ち上がった彼女の肩に手を置いて、静かに座らせた。


「もう、つまんなくなったんだ。俺は下りる」

 コイツと関わった所で俺にはメリットよりデメリットの方が多そうだ。

 あぁ、バサッと切れてスッキリした。


「待ちなさいよ!!」

 凄い顔してんだろうな。

 もう、二度と関わるかってんだ。

 俺は振り向きもせず彼女に背を向けた。


 ◇◆


「桃ちゃん、色々ありがとな」

 一香ちゃんを落とすために彼女と仲の良い桃ちゃんには散々協力してもらったんだが……


「え? 一香ちゃんの事、もういいの?」

 彼女は純粋に俺が一香ちゃんの事を好きだと今だって思ってるんだろうな。


「あぁ。いいんだ、もう」

 桃ちゃんは申し訳なさそうに俺を見ている。


「ごめんね、あんまり力になれなくて。最近一香ちゃん……いや、いいや。なんでもない」

 続きの言葉は簡単に想像できた。

 変に気を遣われるのは本意ではないから、あえて『一香ちゃんと高倉、最近仲いいもんな』そう自分から口に出してやった。


「あ、うん……。一香ちゃんは高倉くんとほとんど関わりなかったって言ってたけど、同じ中学だったんだから仲良しだっておかしくはないよね。……ほら、羅々ちゃんにも協力してって私言われてるしさ、なんか色々複雑で。城田くんにも結局何にもできなかったから……」

 桃ちゃんにはホント悪いことしたと思ってる。

 羅々とも願わくば切れて欲しい。


「桃ちゃん。俺は桃ちゃんには色々と協力してもらって感謝してるよ。一香ちゃんと高倉がいい感じなんだったら別にそれはそれでいいと思ってる。一香ちゃんに振り向いてもらえなかったのは俺の力不足だしさ。責任感じることなんてないんだよ。だから、桃ちゃんもその事で羅々に何か言われたら、自分が大切に思う人の味方につきなよ。一香ちゃんは桃ちゃんの大事な友達だろ?」


 何言ってんだ、俺?

 別にあの二人を応援したいなんてこれっぽっちも思ってないし、むしろ離れてくれた方がいいって思う気持ちのが大きいのに。


「……そうだよね。ありがとう、城田くん」

 ホッとしたのか桃ちゃんの表情が和らいだ。


 ……ったく!!

 アイツらくっつくんなら早く、くっつけよ!!


 仕方ないって……俺はちゃんと思えるから……


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― 新着の感想 ―
[気になる点] まさかの(言うほどまさかか?)ララティーナさん黒幕パターン。 ある意味気の毒な人ではあるのですが… 人間関係は最初だけ減点式で、あとはひたすら加算式だから、信頼のおけない人を 好きに…
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