白VS黒
ここは、何も無い、真っ白な世界。あるのは、黒い線一本だけ。
そこに、なにかが落ちてきた。
線で作られた体に、白い球体が乗っかっただけの簡単な構造。
そう、棒人間だ。
そいつの見据える先には、黒い棒人間がいた。
どうやら、こいつが今回の相手らしい。
白い棒人間の、対極の存在にあるような黒い棒人間。
ふと、黒い棒人間が手を白い棒人間に向けた。すると、黒い棒人間の背後から同じような黒い棒人間が現れて、白い棒人間に襲いかかった。
白い棒人間に向けて、黒い棒人間が一直線に飛んでいくが、白い棒人間は目の前の相手に対してさほど危機を感じないのか、のんびり構えていた。
そして、黒い棒人間が勢いにのって白い棒人間に拳を繰り出した。そのパンチがあたる直前に白い棒人間が無造作に手をつきだしてそのパンチを受け止めた。そのまま上に放り投げ、落ちてきたところに回し蹴りを打ち込み、黒い棒人間を吹き飛ばした。
黒い棒人間は、それきり動かなくなった....。
それを見た先ほどの黒い棒人間(以下黒ボス)は、さらに自分の部下の黒い棒人間を投入した。
たくさんの黒い棒人間を前にしても、白い棒人間の余裕は消えない。黒い棒人間の集団に白い棒人間が飛び込んで行く。
まず、一番近くにいた黒い棒人間を殴り飛ばし、次に上から襲いかかろうとした黒い棒人間(以下黒棒)に飛び付き、さっき自分がいた所に叩きつけ、さらに踏みつけた。すると、白い棒人間(以下白棒)を中心にして、衝撃波が広がった。
残りの黒棒はみんなその衝撃波によって吹き飛ばされてしまった。
それを見た黒ボスは白棒が部下のてにおえない相手であることを悟ったらしい。自分の手で決着をつけるべく白棒に襲いかかった。
さっきまでの黒棒とはまるで比べ物にならない速さについていけず、まともに殴られる。そのあとも白棒は黒ボスに殴られ続け、白棒の反撃は黒ボスにかすりもしなかった。
必死になって黒ボスの攻撃を防ぎ続ける白棒に、さっきまでの余裕はない。
白棒のガードをくぐり抜けた黒ボスの拳が白棒の胴に叩き込まれた。パンチを受けた白棒は、木の葉のようになって後ろに吹き飛ばされていく。大きなダメージに、白棒は立ち上がったもののまともに立つことができず上体がふらつく。
そこに、黒ボスの飛び蹴りが決まった。
さっきよりも派手に吹き飛ばされる。2,3回と地面(のようなに引かれている線)の上を水切りのように跳ねた。今度は立ち上がることすらできず、震える四肢を地面について起き上がるのが精一杯だった。
白棒は、地面に黒い影が落ちていることに気がついたが、そこから身を翻す時間はなかった。
次の瞬間、黒ボスが弾丸のように落ちてきた。体を地面に叩きつけられ、白棒は動かなくなった。
しかし、黒ボスは攻撃をやめなかった。一度白棒の上から退くと手のひらから黒い光弾を連続で撃ち出した。白棒は動かず、攻撃を受け続ける。爆発によっておこった土埃で前もまともに見えなくなったが、黒ボスはさらに次の攻撃を開始する。両手をあわせ、力をためる黒ボス。時間がたつにつれて、手のひらの光は強く大きくなっていく。
そして、たまった力を解放した。
凄まじい爆音と閃光。白棒も黒ボスも見えない。
視界が回復し、前が見えるようになった時、黒ボスをは周囲に何も気配を感じないことを確認し、その場から立ち去ろうとした。たが、すぐに振り返った。直後、地面が揺れ始める。地震とは明らかに違う振動に、黒ボスは相手がまだ生きていることを確信した。
黒ボスの攻撃によって削れてしまった地面から、赤いオーラを纏った白棒が姿を現す。白棒は黒ボスが構える暇を与えず、攻撃を開始した。さっきまではまるでついていけなかった黒ボスを、今は白棒が圧倒している。黒ボスは白棒に恐怖を感じていた。竜巻のような攻撃の嵐をなんとかやり過ごし、自分の部下を呼ぶが、まったく歯が立たすず秒殺されている。役に立たない黒棒に、黒ボスは怒りを募らせていく。
全ての黒棒をなぎ倒し、黒ボスに突進する白棒。
侮っていた相手に圧倒され、怒りに身を任せ攻撃に転じる黒ボス。
互いにそれぞれの全力攻撃を繰り出そうとしていた。
白棒の手に、赤いオーラが集まり耀きを増していく。
黒ボスの手には、黒に光が集まり禍々しさを増していく。
二つの拳がぶつかりあい、発生した光によって、再び何も見えなくなった。
やがて、光が晴れ見えるようになった。そこにいたのは赤いオーラを纏った白棒だった。
これでこの棒人間のお話はお終い。でも、棒人間の世界はまだまだ続いていく。次の棒人間は、何色だろうか。
棒人間バトルを小説にしてみたら面白いかも?と思い書いてみた小説です。初めての作品なので、いろいろと読みにくかったりすると思いますが、どうか優しい目で読んでください。あ、投稿するペースもかなり遅いと思いますが気長に待ってくれれば幸いです。