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テイミング

土竜(魔物)と表示されているものを召喚した。これは新しく召喚できるようになったものではなく

最初から召喚リストにのっていたものだ。

ちなみに土の竜ではない。土竜と書いてもぐらと読む。そして一応魔物分類になっているだけのただのモグラだった。

大きさは40cmくらい。ただ獣としてのモグラと違いサングラスをかけていた。

モグラは20Pで3体召喚した。

こいつらに出した指示はハジマールの町近辺のやくそうを採取してくるというものだ。

戦闘の指示はださない。


残り75Pは貯めておくことにした。

とりあえずひと通りやってみた気がして満足したので、現状確認とマニュアル確認。

説明書を読んでからゲームをするスタイルでもなく、説明書をまったく見ない派でもなく、

まずゲームを感覚的に楽しんでから後でゆっくり説明書を読む派です。


というわけでステータス確認で自分の現状把握だな。


名前:まおう

種族:魔族

職業:魔王

レベル:2

HP:32

MP:43

攻撃力:25

防御力:19

賢さ:22

素早さ:12


所持スキル

召喚、テイミング、鑑定


所持魔法

転移、闇の炎(小)



スキルでテイミングというのがあるのか、これはっと

ふむふむ、自分の配下以外の野良モンスターを配下にできるのか。

配下にした場合の利点は魔物遭遇率アップか。


通常野良モンスターは1匹倒せば1匹自然に湧くというように常にある範囲内のモンスター数は一定になるようになっている。

だが魔王配下のモンスターは別枠ということになっており、

配下モンスターが増えれば増えるほどその範囲のモンスター総数が増えるというわけだ。

これは必ずやらなきゃならんな。


鑑定はモンスターやアイテム、装備品の詳細がわかるというものだ。

試しにアイちゃんを鑑定してみる。


名前:アイちゃん

種族:ビッグアイ

職業:魔王補佐

レベル:73


おいおい、アイちゃん強すぎだろ。俺なんかまだレベル2だぞ。

それに名前って、ちゃんまで含まれるのかよ。

ちなみにステータス詳細までは見れないらしい。


魔法は転移と闇の炎(小)か、小とあるので、そのうち中とか大もでるんだろうな。

とりあえず手を前に突き出してっと

「いでよ闇の炎」

なにも反応がない。

もしかして

「いでよ闇の炎、括弧小、括弧閉じる。」

手から黒い炎が現れ、どびゅんと飛び目の前の扉を破壊した。

「いや、これは勘弁してくれよ。ちょっと恥ずかしいぞ」

きちんと(小)の部分まで唱えないと発動しないらしい。

融通が利かないシステムだ。


「魔王様、城の中で攻撃魔法を唱えるのは勘弁してください。」

アイちゃんに窘められた。

「テイミングを試しに行ってくる。後は頼んだぞ」

壊れた扉は無視して魔法陣に入り、ハジマールの町付近まで転移した。


「お、いたいた」

白いふわふわ、まるもを発見したので近寄り

「とりあえず、テイミング」

叫ぶことによりテイミングが発動した。

モンスターが一瞬白く発光したものの何も変化はない。

どころかこちらを攻撃してくる。

「生意気な。我に楯突くのか。いでよ闇の炎、括弧小括弧閉じる」

まるもは黒い炎を包まれると、一瞬で消滅する。

少し恥ずかしかったが、のりのりで魔王プレイしてみた。


失敗失敗、この魔法って結構強力なのかもね。

というわけで、次の獲物にとりかかる。

こいつもまるもだ。

「魔王ぱーんち」

何も武器も持っていないので、とりあえず殴ってみる。

まるもが吹き飛ぶ。

そこですかさず

「テイミング」

まるもが数秒間発光したとともに、認識できた。

こいつは自分の配下モンスターだと。

テイミングがうまくいったのだ。

ふわふわー

とりあえず撫でる。次いで頬ずり。抱きつく。

でも俺おっさん。

まぁそれはいいとして

他にもまるもをテイミングし5体になったところで、毛玉を魔王城(笑)に転移させておいた。


次はもっと強いモンスターだな。

おっ、狼発見。

目を凝らすと詳細が頭に浮かんできた。

灰色狼(魔物)Lv5

俺よりも強いようだ。

「テイミング」

なんの反応もない。

それならっと

「魔王ぱーんち」

先ほどまでこちらを無視していた狼はさっとパンチをかわし、距離をとる。

ひと言うなった後、ジャンプして噛み付いてきた。

咄嗟に右腕でガードする。

見事に噛み付かれた。

痛い、涙出てきた。

右腕に噛み付かれたままなので、左手で狼をなぐる。

すかさず、テイミング。

なんの反応もない。

もう1発と殴りつけると、ようやく腕から離れた。

ちょっとびびりが入った俺は一目散に逃げ出し、「転移」で魔王城に逃げ帰った。

転移はどこからでも魔王城に一瞬で帰還できる魔法だ。

ちなみに魔王城の魔方陣からは各地に飛ぶことができる。


「いてー、アイちゃんどうにかしてくれ」

半泣きでアイちゃんに泣きついたところ、玉座(木のいす)に座ってれば自然に回復していくとのこと。

「つーか、アイちゃんがモンスター仲間にしてこいよ、というか勇者を倒してくれよ」

「申し訳ございません。私は補佐することがお役目で魔王城から離れることはできません。それにお約束ですしね」

なんて言われてしまった。


「それでは魔王様、ご報告させていただきます。今回のまるも5体のテイミングで15P。これはまるもを呼び出す際に必要なポイントの3分の1、端数切捨てが得られます。

そして野良モンスターを倒したペナルティとして召喚するのと同じポイント、つまり10Pを失います。」

「げげっ、野良モンスターを倒しても自然に湧くんだろ。」

「たとえ自然に湧くにしても、人間側に有利に働く、つまり手を貸したのと同じことになり、魔王ポイントが減らされます。そういうシステムですのでご理解ください。

魔王ポイントが減るのを気にしないのであれば、モンスターを倒してしまっても問題はございません。我侭こそ魔王様です。ですが、モンスターを倒しても経験値もお金も手に入らないということを覚えておいてください。」

それじゃ倒す意味ってないじゃん。

「灰色狼がテイミングできなかったのはどういうこと?」

先ほど転移させておいたまるもを膝の上に乗せ、なでなでしながら聞いてみる。

「それは魔王様より圧倒的にレベルが高いためです。ご自分の実力を鑑みてください。」

なんか傷つく。レベル5のモンスターが自分より圧倒的に強いなんていわれたぞ。

どうせまだレベル2ですよーっと。

「今のレベルだとどの魔物をテイミングするのがいいんだ?」

「ふむ、魔王様のレベルですと巨大蟻なんかがちょうどいいかと。」

手で顎(いや実際には眼球なんだが)をなでつつ教えてくれた。


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