不老が進む道
久しぶりの投稿....最近妙に疲れるぜよ
目が覚めると、知らない天井....いや、知ってるし天井とは言えないゴツゴツとした岩が目に入ってきた
ゆっくりと身体を起こし、昨日の事を振り返る
「.......///」
今思えば俺らしくない。めっちゃ恥ずかしい
顔が赤くなるのを感じる
「ッ....あぁ!もう!」
もう忘れようと首を左右に振る
振っている途中、横から大きな何かがゆっくりと歩いてくるのに近づく
「.....ん?」
二度見をするようにその方向に首を素早く向ける
そこには、人なら軽く吹き飛ばしそうな大きな手と体格をしている巨大なクマ。を、担いだ男。万紅がずぶ濡れになって立っていた
「お、おはよう....!」
「お、おやすみ」
とりあえず、二度寝したい気分だった
〇
「なんでまたずぶ濡れなんすか....?」
「いやぁ、朝飯取りに行こうとしたら水溜りに落ちちゃって。まぁ、勝てたし気にすんな気にすんな!」
水溜りにで全身ビチョビチョになるとは、正に神技だな。綺麗に大の字になって転んだのか、もしくはその水溜りがえげつないほどに深かったのか、その実態は謎である
「おっ、今日のクマはなんか旨いな〜、焼き加減が良かったのかな?」
そして服を乾かしてるので素っ裸....まぁ大事な所は葉っぱで隠してるが、その姿でクマ肉にかぶりつく姿は結構珍百景だと思う
この人を昨日親だと少し思ったとは、なかなかに恥ずかしい
「あ、そうそうお前に渡すもんがあんだよ」
そう言って渡してきたのは、見た事がある打刀。天斬だった
万紅が投げてきた天斬をしっかりと受け取る
いつもと変わらない重みが手に伝わった
「それと、これだ。ずーっとお前が握り締めてたやつ」
「握り締めてた....?」
そう言って、天斬とは違い手渡しで渡されたのは、少し汚れてしまっているが、白い布だった。
見覚えのある。布だった
「これ....千景の服の....」
「大事そ〜に握ってたぜ。大事なものなんだろ?」
もう一度目を布に向ける。
こんなもん無意識で握ってたのか....
服の布切れでも、形見くらいにはなるかな
そう思い、懐にそれを直そうとすると
「お前髪長いよな。その布で括ったら?丁度いいじゃねぇか」
そう万紅に言われ、髪の毛を手で触る
永琳達に買ってもらったゴムは無く、サラサラとした男にしては長めの自分の髪の毛だった
いつの間に取れてたんだ?気づかなかった
「千景のでか....なんか、俺変態みたいだな」
「え?なんて?」
「いや、なんでもない。これしかないし、括っとくよ」
万紅の言葉をスルーして、ささっと結んでみる
この前の黒いゴムとは違い、少し白い色が目立つが、まぁ....気にしない
というか、もし次に永琳とかに会う機会がある時にこれが千景の服ってバレたらなんか言われそうで怖い....
ここでふと思った。万紅は紛れもない人間。じゃあ何故地球なんかに残ってんだ?
「そういやさ、万紅はなんで月に行かなかったんすか?」
なんか、俺みたいな特別な事情があんのかな?それか、八咫の騒動で乗り遅れたのか....?
「月?月は眺めるもんだぜ?行けるわけねぇだろ?」
そう言って笑う万紅
予想外過ぎる回答だった
「え、あれ?」
一瞬俺がなんか間違ってんのかと思っちゃったけどいやいや、俺間違ってない
「そういや、戦争も知らなかったっすよね?」
「あー、昨日お前が言ってたやつ?」
「きっ、昨日の事は忘れっ!....忘れられると説明めんどいけど、とにかく俺があぁなったのは忘れろ!」
「忘れろって?泣いたことか?」
「わざわざ伏せてたのに堂々といいやがって....ってかそこじゃなくて!知らねぇんだよな?戦争の事!」
「知らねぇけど?」
ちょい脱線しかけたけど....知らないとは、
あの都市以外人が住める場所なんて....
もうわけわからん
「まぁ、よくわからんがよ。あれだあれ」
万紅が苦笑いしながら答える
「俺、《転生》?だっけ?それしたんだよ」
聞き覚えのない単語だった。
言った本人でさえ頭を傾げながら答えてる。俺がわかるわけがない
「その、転生ってなに?」
「え?んーと....なんか、神様のせいで俺の人生がおかしくなったから、もっかいやり直させてやるからチャラにしやがれ的な感じだったと思う」
「チャラでいいのか」
「まぁ、生きてるし」
生きてたら良いとか、純粋に凄い
というか、それがホントならその神様もいい加減だな
「とまぁ、そんなわけで、俺は過去の〇〇〇年に飛ばされたってわけ」
「ハイストップ」
「?なに?」
今とっても聞き捨てならない言葉が聞こえてきた。
〇〇〇年....? 俺、あの戦争があった日にちはしっかりと覚えてる....年も□□□年だ.....
え、軽く数百年は立ってやがる
「俺、いつの間にか人生の10割終えてたのか」
「見た目ガキなのにな」
「うるせぇ」
そう言って自分の体を見てみる
地味ーに、成長してる。ちょい背が伸びてる
不老って言っても、成長は微妙にするらしい
こりゃ早いとこあの野郎殺さねぇと爺ちゃんになりながら一生生きていかなきゃなんないのか....いや、永遠の間違いか
早く八咫を見つけてなんとかしねぇと....
でも、今のまんまじゃ太刀打ちなんて出来やしない。強くならなきゃ....か....
「そういやよ、刀」
万紅が俺の刀を指指す
「刀?」
「そそ、刀持ってるって事はよ、お前も《侍》になりたいのか?」
「侍?」
少しテンションを高くして質問してくる万紅には悪いけど、聞いたことがない単語だった
「ありゃ、侍知らない?って、そりゃそうか昔に来たんだもんな!ハハッ」
「侍って、なに?」
「ん?侍か?侍はかっこいいぞ!」
そう言って急に立ち上がる万紅
思わずビクってなった
「侍は強い!それが一番だな!あと、かっけーんだよ!何かを護る男ってのはかっこいい!」
熱い語りが始まった
グッと腕を握りしめて高らかに語るその姿はもう子供
いつもなら流すけど、今回は聞き流せなかった。なぜなら
「強いのか?」
今まさに悩んでた単語が入っていたから
「ん?侍か?そりゃ強ぇ!めちゃめちゃ強ぇ!何たって剣道の達人だぜ!何度も幾度となく修行と戦を「万紅」 お?」
「侍には、どうやってなれんだ」
刀を地面において、両手を地面について、頭を下げる。これは、決して軽い気持ちで頼んじゃいけねぇ。
俺は万紅の前で不格好な土下座をしながら言った
「頼む、俺を....侍にしてくれ....ッ」
少しの無言
洞窟の中が暑いのか、汗が頬をつたる
そして、黙っていた万紅が口を開く
「お前が昨日、言ってたよな。『アイツらは人を簡単に殺していった』って」
さっきよりとは違う。真剣な、よく響く声が聞こえてくる
「命を重く見るってのはすげぇ大事だし、立派だ。でも、お前のなる侍ってのは、復讐だろ?簡単に言えば」
「.....あぁ」
「その復讐は、その命を軽く見なきゃいけねぇ。そんな道だ」
万紅は一度目を閉じ、そして開く
口も同じように開いた
「それでも、お前の【侍】になりたいか?」
唾を飲み込む。また静かになる。
そのせいか、外の鳥の声がよく聞こえる
でも、心臓の音は乱れてない
迷うことなんてない
「なりたい....!」
その一言だけ、それしか言う事が浮かばなかった
どう返されるのか、反対されるのか、どう言われるかわかんねぇ。でも、俺は何言われたって強くはなる
そういう覚悟はしてたんだが
「.....よっし!なら俺が今日からお前を強くしてやる!」
思った以上に乗り気だって
もうちょいなんか言われるのかと思ったが、そんなこと微塵も思ってないような清々しい顔で万紅は俺を受け入れてくれた
「侍を名乗るには努力が必要だ!覚悟なんてどうでもいい!そんなもん、あとから付いてくもんだ!今は、やるか、やらねぇか、その意気込みが大事だからな!」
「じゃ、じゃあ強くなる方法教えてくれんのか!」
「おう!」
なんか随分さっぱりしてるからちょっと戸惑っちまったけど、訓練と言ってもあのクソ教官よりはマシだろう
「よっしゃ!取り敢えず飯ないから、これから一ヶ月分くらいとってこようぜ!」
「保存はどこでやんだよ」
「じゃあ取り敢えず昼飯と晩飯の調達と合わせて修行だ!」
訓練よりも別の意味で心配になってきた
「燃えてきたぜ!なんか今日は6倍は食えそう!」
そして出発前のノルマ基準上昇宣告。朝にとってきたこのでけぇクマ一頭が、もし運良く一食分なら、最低でもクマを12匹倒さなきゃいけないのか
俺はキノコとかそっちに回ろ
「行くぜぇ!腹減ってきたァ!」
勢いよく飛び出す万紅、俺はその背中を追いかけ飯を取りに洞窟から外に出る
「服着ろ服をおおおおっっ!!!」
今日はやけに良く響く
□
「ふ〜ん。それで、あの奥でなんやらやってる男の弟子になったの」
「弟子になんかなってねぇ」
「でも、鍛えてもらうんでしょ?じゃあ弟子じゃない?」
「鍛えてもらうとか、ボディビルダーが傍にいるってだけで小さい方を弟子って決めつけるのは【クソアマ症候群】の証拠だ。以後、お前のことはクソアマと呼ぶ」
「ルーミアって呼ばないと闇の中にボディビルダーごと沈ませるわよ」
あの後、万紅がクマと戦闘中、俺はキノコとか取ってたらまさかのルーミアに遭遇。暇だし多分何言っても離れてくれないので普通に雑談をすることに
「にしても、アナタ人間だったのね。そう思うと可愛く見えてくるわね〜、食べちゃおうかしら♪」
「お前の血となり肉となったらえげつないほど抵抗してやるからな」
「あらら、それは困るわね、フフッ」
クスクスとよく笑うやつだ。
まぁ、話せてる以上本当に俺を食おうと思えば食えるんだろう。
でも、今じゃどうすることも出来ないし、そもそと死ぬ気は無いので逃げる準備くらいはしてある
「もう、そんなビクビクしなくていいわよ?」
「うわっ!」
急に抱きついてくるルーミア
いや、抱きつくというより抱っこされてる感じになってしまった....
「なっ、なにすんだ!」
「いやぁ、人里に降りたことはあるけど人の子って凄い可愛いのよね〜!一度は抱っこしてみたいと思ってたんだけど村の男達のガードが強くて強くて....腹立って食べちゃったこともあるわよ」
なんであれ、帰路はナチュラルに塞がれた。これはもう万紅の助けを待つしかない....
最悪だ、わけわかんない怖い話すんじゃねぇよ。人食った!って人の前で言うなよ
「食べたりなんかしないわよ。アナタの事気に入ったって言ってるでしょ?それに、練習に付き合ってあげてもいいわよ?」
「離れろクソアマ!って、は?練習!?なんで俺が妖怪....しかも女なんかに!」
なんだこいつどんだけ力強いんだ....!!
どんだけ暴れてもずーっと押し付けられて身動き取れない....!!
それに練習って、女に訓練受けさせられるのは定想隊長で十分だ。何よりプライド的に許さねぇ
「アナタ女の子が苦手なんでしょ?」
「よくわかったなクソアマ....!!ってか離せ!」
「そんだけクソアマって言ってたらわかるわよ。そんな事言ってる場合じゃないんでしょ?自分の人生がかかってるのよ?」
「ぐっ....」
人生....た、確かにそんなプライドは捨てるべきなのか.....いやいや!絶対に嫌だ....!
「それにぃ〜、私も十分強いと思うけど?教えられて損は無いわよ?」
「ぐぬぬ....!」
「なかなか強情ね。じゃあ『ルーミアお姉ちゃんと訓練する』って言わないとずーっと抱きついてるわよ?」
「なんっ....」
このクソアマ......やっぱ女はクソアマだ.....
絶対に言いたくない!....言いたくないけど、このままずーっと抱きつかれるのは非常に困る。焼死したい気分になる
「どうする?ねぇ、どうするぅ?」
ぐぬぬ....仕方ない....のか....!!
「るっ、ルーミアと訓練する」
「だめよ?おねぇちゃんと訓練する!って言わないと」
「るっ、ルーミアおねぇちゃんと訓練する!」
「はい♪」
「ぐえっ」
恥ずかしいセリフ言わせた挙句に急に手ぇ離しやがって....いろんな意味で痛い
満面の笑みなルーミア。
殴りたい。この笑顔
「そこまで言われると仕方ないわね〜、なら毎日じゃ疲れるだろうし2日おきにここに来なさい。それか、私の名前叫びなさい。直ぐに駆けつけてあげるからね〜」
なんかどんどん子供扱いになってきた気がする....ものすんごいムカつく
金色の髪の毛をなびかせ、歩いていくルーミアの後ろ姿を見ると、膝カックンしてやりたくなるほどに腹たってくる
「ってか、何の訓練すんだよ。人の食べ方とかいらないからな?」
「人に教えてどうすんのよそんなの。そうね〜、【程度の能力】の扱い方とか?かしら」
そして じゃあね♪ と一言行ってルーミアは消える
程度?程度ってなんだよ....確かどっかで聞いたことあるような感じがする....
でも、そんなことを考えてる場合じゃない
言わされたとはいえ....黒歴史が出来てしまった....
「おーい!クマ20匹仕留めたからよ!運ぶの手伝え蛍!」
遠くから人をやめた声が聞こえてくる。まさかノルマをオーバーするとは
へーい。と軽く返事を返しながら万紅の方へ歩いていく
ルーミア。黒歴史を知ってるのは俺とあいつだけ.....ほっとけない存在になった。
俺は今日改めて、【クソアマ】のウザさを実感した
その日の夜。ある人里には、赤い血の色が月の光に反射していた
「やっ....やめてくれ...!! お願い...」
必死に願う男の目には涙。それ以外は血がベットリとついていた
『醜い....あー醜い。人ってのは、そういう時だけ正直だな』
そう言って男の前に立つ影は右手の人差し指を男の脳天に突き刺す
グシュ....と、そんな柔らかいものが切れるような音が響く
「あ.....が....」
『もーっと、もっと早く正直になってたらぁ、生きてたかもな』
そう言い切った時、男の顔を残して体が肉片となって大きな音を出して飛び散る
そしてその頭は黒い小さな石と変わる
『人は、この姿の方が似合ってるよ...ククッ』
そういう影の目は....どこか、普通よりも多く見えた
一夜により、人里は、赤く染まっていった
end
文力よ....元々なかった文力よ、戻ってきておくれ?←




