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平行線の想い

あれはまだ私たちが中学生立ったときの話


身長が小さい私は脚立を使って高い位置にある本を取ろうとしていた。

でも、その脚立は壊れていた

それを知らずに私は脚立を使って本を取った

小さくて軽かったとは言え、重圧に耐えきれなかった脚立が壊れ落ちてしまった


落ちたとき体は痛くなかった

君が、白樺 峻と言う男の子が下敷きになって助けてくれたから

「大丈夫か?」

抱き締めるような形で下敷きになっていた君は私のことを心配してくれた

「え・・・あ、はい、大丈夫です」

「ならよかった」

起き上がりながらニカッと笑いかけてくれた白樺くんの顔が忘れられなくなったの


それからは気が付いたら白樺くんの事を目で追ってた。

助けて貰った日から少しずつ

白樺くんに恋をしていった


彼は優しくて本人が知らないだけで女子の人気も高かった

叶わない恋だって分かってた

けど、やっぱり君のことが好き



放課後いつものように屋上に行った。

ヴァイオリンの調律をしていると校舎裏の方から

「峻くんのこと好きです、付き合って!」

と告白する声が聞こえた

思わず屋上のフェンスから身を乗り出して一部始終を見てしまった


告白した子は振られてしまったみたいだったけど、私はなんだか悲しくなってしまった。

自分も振られたみたいで


調律した弦を緩めて箱にヴァイオリンを優しくしまい込む


今日は弾く気になれない

弾いても悲しい旋律ばかり紡いでしまう

なら、弾かない方がよほどいい


屋上に寝転がって流れる雲を見ていたら、少し気持ちが楽になった


そう言えば、脚立から落ちて助けて貰ったお礼ちゃんと言ってなかったな・・・


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