happy Christmas!!
「Let's sing everybody gegegenoge!」
これからクリスマスデートをする。
自分でも
俺、浮かれてんなー
と思うくらい心も足取りも軽い
付き合い始めて最初のクリスマス
今日はプラネタリウムを見に行こうと2人で決めていた。
待ち合わせの場所につくと、既に悠紀が来ていた。
そっと悠紀の後ろに回り、手で目隠しをする。
「だーれだ?」
自然と抱き締めるような体勢になるため、悠紀がびっくりしているのがよくわかる
「え、あ・・・し、峻くん?」
「あたりっ!!」
そのままぎゅっと抱き締める
「あわわわ・・・し、し、峻くん、離して」
動転しているらしい
よく見ると耳まで真っ赤だ
可愛い
余りいじめるのも可哀想なので悠紀わ離し、かわりに手を繋いだ
赤い頬を薄ピンクのマフラーで隠し、隣を歩く少女
一緒にクリスマスを過ごせることを嬉しく思いながら、入場券を買い、中に入った。
悠紀は星が好きらしい
前に遅く帰った時も沢山たくさん星の話をしてくれた。
それからは俺も星が好きになった。
プラネタリウムは綺麗だった。
曇りのない澄んだ空を見ているようだった。
仕組みや理屈は知っていても素直に美しいと思う
「凄かったね」
部屋から出るとするりと口から言葉がこぼれ落ちた。
「うん」
破顔した。
外はちらりほらりと雪が舞い降りていた。
プラネタリウムを見たあとの行き先は決めていなかったので、近くにあったカフェに入った
「俺は、ブラジルで」
「私はオリジナルブレンドでお願いします」
ブラックコーヒーが来るまで
いや、来ても沢山の星の話を聞いた。
悠紀が聞きたがっていた、ギリシャ神話やクトゥルー神話の話もいっぱいした。
話しに夢中になっているうちに時間は過ぎ、道は暗くなっている
幸いにして雪は止み、空は晴れ上がっている。
「峻くん」
囁くような声と空に向けられた指につられて上を見ると
街灯が邪魔で少し見辛いが、星が輝いている。
プラネタリウムより遥か高い宇宙で命を削るように一生懸命輝いていた
昔じいちゃんが言ってたっけ
人の数だけ星がある。
今まで生きていた人、これから生きる人みんなの分だけ星があるんだ
と
悠紀の手をそっと捕まえ、抱き寄せると祈るようにそっと
「merry Christmas
I love you」
「me too」
今はこのままで
もう少しだけ星を見たら帰ろう