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歌詞的なもの

棘紅道

作者: 歌多琴

気づけばそこで迷っていた

全面に紅く 全身に刺さるトゲ

痛いと思うのも 嫌になるくらい

紅い隙間を縫って 前に進んだ

私は自身を諦めて

それでもそこに居たくなくて

痛いほど前に進めた


笑って足が動く 嘆いても手で掻き分ける

いつしか 「狂気じみてるな」 なんて考えついた自分は

まだ自己を保っていると それが嬉しくて

瞳から雫が溢れて 荒く空気を吸う口に流れ込む

不思議な味がした しょっぱく 苦い 鉄の味

これはきっと希望とか言う 薄っぺらい言葉の味

そんな偶像では 心は失われない


なんだ身体が動かなくなる

前面は紅く 背面にトゲのベッド

痛みも鈍く 滲み届く

ふと 進んで来た道の奥 声が聞こえた

苦痛 悲痛 恐怖に畏怖

どこでも落ちてる 感情に

痛いほど口元が緩んだ


笑って身体をおこす 嘆きは歓喜と欲望に化し

お前が苦しむのなら それはどうしようもない糧である

まだ自己を保っていられる それが嬉しくて

他人の不幸は 限りなく 一歩を沸き立ててチカラになる

紅い闇の向こうから ひどく 虚しい 叫び声

そこで勝手に倒れていなよ 私は紅の先にいく

「狂っている」と もう思うことはない


目眩で世界が揺れ動き 紅の世界の終わりについた

深緑に紛れる 新緑のトゲ

その先になら 進む場所があるのかと歩む

緑は紅色に彩られ 世界は広がり続ける

それに気づいて 笑みは溢れる

ここから君を苦しめるのは 間違いなく 私の血肉だ

どうか苦しめ 足掻いて それでも絶望しろ

私の血液が空になるまで それは続くのだから

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