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 目の前に現れたのは、玲菜とは全く似ても似つか

 ない少女だった。

 あえて似ている所を探すとすればお互いに幼く見

 える事だったけれど、目の前の少女の場合玲菜の

 それとは違って、単に年齢からくるもののように

 見えた。

 それ以外の共通点は見つけることができず、寧ろ

 生反対とい言ってもいいほどの印象だった。

 明朗快活で人懐こい、僕を見つめる好奇心旺盛な

 瞳がそんな印象を抱かせた。

 少女はまるで、動物園でお気に入りの生き物でも

 見るような表情で僕を見つめていた。

 

 「何のつもり・・・・。」


 返答はかえって来ない。


 「なんでこんなことするんだよ。」


 目の前の少女は質問には答えることはなく、ただ僕

 を見つめている。

 

 「もういいよ!」


 本当に馬鹿馬鹿しい、こんな悪ふざけに付き合わさ

 れた事も終わった過去に心を揺さぶられた事も。

 自分自身が途轍とてつもなく滑稽に思えて、羞恥の念にか

 られ耐えきれなくなった僕は、その場を立ち去ろう

 とした。


 「玲菜ちゃんだと思った?」


 突然の一言に、僕は動かし始めた足を止めた。


 「知ってるのか・・・? 玲菜の事。」


 「ねえ、せっかく天気も良いし、遊ぼうよ。」


 相変わらず僕の質問には答えようとしないその少女

 は、まるで小さな子供が初めて会った同年代の子供

 を誘うように言うと、僕に背を向けて歩きだした。


 「質問に答えろよ!」


 「遊んでくれないと教えてあげない。」


 声を荒げる僕に少女は悪戯っぽく言うと、今度は逃げ

 るように走り出した。

 僕も少女につられるように走り出していた。

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