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マカロニペンギンなんですが?①
頭が痛い。昨日は、飲みすぎた。
何かをもらって……それを飲んで、どうしたんだっけ?
誰と飲んでいたのかも、思い出せない。
窓の近くで寝ていたせいで、朝日がまぶしい。
「今日はいい朝だな」なんて、のんきに思った。
寝ぼけまなこで、起きようとする。
──『起き上がれない』。
よくよく手を見てみた。
それは、もう“手”じゃなかった。
──『翼』になっていた。
なんとか体を起こして、
鏡代わりにテレビの黒い画面に映る自分を見る。
──ペンギンになっていた。
けれど、このペンギン……見たことがない。
気になって、スマホを操作しようとする。
けれど──
「……あ、無理。」
翼じゃうまく触れない。
仕方なく、あきらめた。
次に、声を出してみる。
最初は、自分の声だった。
でも、少しずつ、濁ってきている。
この声も、そのうち失われるのかもしれない。
少し動いた拍子に、足元で何かを踏んだ。
テレビのリモコンだった。
けれど、テレビはつかない。
『何が起きてるんだ?』