登場人物紹介(第三章)
▼セラフィーナ
告白されたことも告白したこともない。求婚されたことはあるが、恋愛対象としてではなかったのでノーカウント。なぜかエディの偽の恋人役に抜擢された。物語の悪役令嬢になりきって偽恋人役をこなしたけれど、罪悪感がすごい。カレンデュラに勝負を挑まれた。
▼エディ・ダールグレン
子爵家の次男。騎士となるために育ってきた。昔からカレンデュラから結婚を迫られていたが、彼女が十六歳になっても心変わりしてくれないため、困っている。昔馴染みだが、性格が合わないので結婚は考えていない。
▼レクアル・クラッセンコルト
婿養子としてエディが取られると困るという理由で、セラフィーナに「エディの恋人になってくれ」と言い放つ。人助けの一環として、恋人のふりをするように命じるが、ゆくゆくは俺の妃になると信じて疑っていない。
▼ニコラス・クラッセンコルト
レクアルの異母兄。二十代前半。弟より上背がある。藤色の髪、青紫の瞳。書庫で会った印象と真逆。文官に扮していたのを隠すためか、舞踏会では初めましてと笑顔を向ける。その圧に耐えきれず、セラフィーナも初対面のふりをした。例のマドレーヌは部下にあげた模様。
▼カレンデュラ・レスポワ
伯爵令嬢。癖のない薄紅色の髪、勝ち気な菖蒲色の瞳。口元には紅のルージュ。抜群のプロポーションを持っているが、頭に血が上りやすい直情型。エディの妹と同い年だったため、六歳年上のエディとは昔馴染み。
▼アルト・オークランス
舞踏会では、レクアルの護衛として壁際に控えていた。
▼ノイ・モーント伯爵
大怪盗。変装の名人。ムスクの甘い香りを漂わせ、招待客の一人として潜入していた。新月の夜のお仕事を終えた後、偶然セラフィーナに姿を見られる。「俺は貧しい村の出身でね」といきなり語り出す義賊。
▼ローラント・コントゥラ
ラウラの伯父。優秀な事務次官。セラフィーナの顔色を見て、「悩み事は解決したようだね」と声をかける。観察眼が鋭いらしい。
▼ヘレーネ
レンズを拭いていたら、セラフィーナが来て慌てて眼鏡をかけ直した司書。カウンターの中に招き、小声で「早く帰った方がいい」と助言する。
▼プリムローズ
上級女官。休日に書庫で待ち伏せをし、ニコラスのためにマドレーヌを焼いてきた。
▼バームリー公爵夫人(名前だけ登場)
カレンデュラに友人の証しとして、モートスプーンを贈った。
▼ヴォール・アールベック(名前だけ登場)
ユールスール帝国の宰相。セラフィーナの父。周辺諸国では黒魔王と恐れられている。